第1話 特別番組・王子様パーティー始動
【配信ログ】特別番組『王子様パーティー、結成の真実』
《配信開始》
[ようこそ、アース・リバース公式チャンネルへ。本日は特別企画、『王子様パーティー』結成の真実に迫ります]
【コメント欄】
『出た、白峰 冴月!』
『やっぱこの人がいないと始まらん』
『王子様って呼ばれてるの納得しかない』
『顔良し、剣筋良し、性格良し。完璧かよ』
『冴月様のアクリルスタンド、今日届いた!!』
『推しが命張ってるのに、私ら画面越しで応援して、泣いてるだけって……つら』
[彼女の名は、白峰 冴月。王子様の異名を持つ、A級冒険者にして、最年少のダンジョン踏破者。その美貌とカリスマ、そして圧倒的な剣技で、彼女は、女性だけの最強パーティーを率いる存在となった]
《映像:過去の配信アーカイブ。冴月が一人でボスを討伐するシーン》
【コメント欄】
『この時まだ16歳だろ……』
『剣筋が美しすぎる』
『この人が男だったら世界滅んでた』
『白印の方が参戦してないのにすごい活躍だよね』
『怪我しないから回復要らずって、どんな身体性能してんの』
『冴月様と白印様が並んだら、画面が光で埋まる説』
[冴月が仲間を集めたのは、今から三年前。男に頼らず、女だけで最深層を目指す。その言葉に応えたのが、今のメンバーたちだった。それは、白印様という尊き存在を危険に晒すことなく、難易度の高いダンジョンに挑むための、唯一にして最善の選択でもあった]
《メンバー紹介・インタビュー・コメント》
【九条 紫乃 (くじょう・しの)/賢者】
名家・九条家の令嬢。冷静沈着、戦術指揮と補助魔法を担当。
「冴月様の隣に立つにふさわしい力を、私は持っているつもりですわ。もちろん、個人としても、九条 財閥としても、全力でバックアップはかかしませんのよ」
【コメント欄】
『紫乃様の新ビジュ缶バッジ、即完売だったんだが!?』
『てか、あの新装備の噂、紫乃様の根回しってマジ?』
『紫乃様の情報収集力、マジで国家レベルだよ』
『あれで九条財閥の後ろ盾あるのも強すぎ……そりゃ魔物も逃げるよね』
『流れるような黒髪に、研ぎ澄まされた紫の瞳……しねる』
『スタイル完璧すぎて、あれで賢者とか反則……』
【黒鋼 斗花 (くろがね・とうか)/拳闘士】
元軍属のアタッカー。豪快な拳技の熱血女子。
格闘界では『鉄拳の女帝』の異名で知られ、その一撃は素手で岩をも砕くと噂される。ファンからの支持も厚く、カリスマ格闘家としての顔も持つ。
「冴月が前にいる限り、オレは絶対に折れねぇよォ!」
【コメント欄】
『姐さんの拳、マジで音が違う』
『鉄拳の女帝、今日も暴れてんな!』
『斗花姐さんの筋トレ動画、ガチで死ぬかと思った』
『拳で語るタイプの賢者(物理)』
『姐さんの背中、マジで惚れる』
『斗花姐さんのグローブ型スマホケース、買えなかった……再販まだ?』
『オレについて来いって言われたら一生ついてく』
『冴月様が王子なら、斗花姐さんは女帝』
『姐さんの咆哮で目覚めたい(目覚ましボイス希望)』
【空木 うたた(うつぎ・うたた)/魔術師】
常に眠たそうな天才。魔術の精度と威力は国家秘匿級。
量産型地雷系ファッションに身を包み、やる気のなさそうな態度とは裏腹に、一度詠唱を始めれば、戦場の空気が一変する。
「んー……だるいけど、冴月が言うなら……まぁ、やる」
【コメント欄】
『今日もうたたちゃん、まつげバッサバサでかわいい』
『地雷系なのに国家級魔術師って何事?』
『だるいって言いながら魔物ごと地形消し飛ばすのやめて』
『うたたちゃんの寝落ちブランケット、肌触り神だった』
『詠唱中だけ目が本気になるの、ギャップでしねる』
『うたた様の新作ネイル、配信でチラ見せしてたの尊い』
『やる気ないって言ってるのに命中率百%なの草』
『うたたちゃんのボイスアラーム、寝起きに「だる……」って言われるの最高』
『冴月様が王子、斗花姐さんが女帝なら、うたたちゃんは眠れる魔王』
『てかあの魔法、機密レベルじゃね? 寝ながら撃つなよ……』
【胡蝶 夜々 (こちょう・よよ)/くノ一】
情報収集と潜入のプロ。無口でミステリアス。
鋭敏な感覚で罠を見抜き、音もなく敵陣に忍び込む。戦闘では、魔力を帯びたしなやかな鞭を自在に操り、敵を絡め取り、沈黙のまま制圧する。
「冴月様のために、影となりましょう」
【コメント欄】
『夜々様の鞭さばき、芸術すぎてリピ止まらん』
『無言で敵を沈めるの、逆に怖くて最高』
『夜々様の罠解除シーン、手元だけでご飯三杯いける』
『夜々様、女から見ても艶姿すぎて……くノ一最高!』
『夜々様の足音、マジで無音。どうやってんの……』
『夜々様の鞭、限定レプリカ出してくれ……巻くから……』
『影となりましょうってセリフ、毎回鳥肌』
『夜々様の目線だけで敵が怯むの、威圧感ヤバすぎ』
『冴月様が王子、斗花姐さんが女帝、うたたちゃんが魔王なら、夜々様は影の女王』
【全体コメント欄】
『全員強いし美人しかいないってどういうこと?』
『うたたちゃん寝てるのに強すぎて草』
『夜々さんの声、久々に聞いた……』
『紫乃様の冷笑すこ』
『冴月様が王子、斗花姐さんが女帝、うたたちゃんが魔王なら、夜々様は影の女王』
『そして紫乃様は、知略の女王。てか、実質この国の裏の支配者でしょ』
『いや、紫乃様は、氷の王冠って感じ。冷静すぎて惚れる』
『紫乃様と冴月様の王族感はんぱない』
『冴月様と紫乃様に統治されたい』
[そして今夜、彼女たちは新たな挑戦に挑む。未踏の高難度ダンジョン『黒の回廊・第十八深層』誰も足を踏み入れたことのない、未知の領域]
《映像:出発前の控室。冴月が仲間に声をかける》
白峰 冴月「行こう。私たちが、世界を変えるんだ」
【全体コメント欄】
『王子様…』
『惚れる』
『これは伝説になるぞ』
[なお今回の配信は、『全滅しても最後まで映す』という異例の形式。それだけに、世界中が固唾をのんで見守っている]
【全体コメント欄】
『まあ全滅ないよね』
『このメンバーが全滅? ないわー』
『てかっ怪我もしないメンバーだよ?』
『未到達ゾーンって言っても、今までの階とそこまで違わないしょ』
『それに白印様いないけど、九条家の財力でお高いポーション持ってるらしいよ』
『ええ!? 中級ってめっちゃ高いんでしょ!?』
『なんでも上級も1本あるとかないとか……』
『ひえええ、そりゃ安心だわ』
『うんうん、今回どんなお宝みつけてくるかな~』
『てか、冴月様がいる時点で勝ち確』
『全滅しても映すって言われても、映らなくなるなんてないしょ』
『無傷で終わる未来しか見えん』
『むしろ魔物が根絶やしにならないか心配になってきた』
『王子様パーティー無敵説』
《映像:ダンジョン入口、光の中へ消えていく王子様パーティー》
[それでは、配信を開始します。王子様パーティー、黒の回廊、未到達ゾーンへ挑む。どうぞ、お見逃しなく]
初動で同時接続数五百万、配信開始からわずか数分で八百万を突破。これはダンジョン攻略配信としては歴代三位の記録であり、通称『王子様パーティー』正式名《戦律の五星姫》の名が、いかに世界中で注目されているかを物語っていた。




