第七話 癒されて
セフィラとイゼルは、愛猫ミケラを介して、旅を共にすることになった。
イゼルは、セフィラと共に人間の短命な生活を経験し、時間の短さがもたらす切実な喜びと、避けがたい悲しみを身をもって学んだ。彼は、セフィラの人間的な脆さと、その心の奥にある騎士としての変わらぬ信念を、より深く理解した。
セフィラは、イゼルが自分の価値観を理解しようと、不慣れな人間界で奮闘する姿に、心の揺れを感じた。特に、イゼルがミケラに優しく餌を与え、絹のような長毛を愛おしそうに撫でる姿は、彼の根源的な優しさと献身をセフィラに再認識させた。
「あなたは…どうして、私にこれほど尽くしてくれるのですか?」
イゼルは、ミケラを撫でながら静かに答えた。
「あなたの命の瞬間の輝きは、私という永遠の存在にとって計り知れない価値がある。そして、あなたの瞳は、私に二度にわたる愛の真実を教えてくれた。あなたの存在の輝きこそが、私の永遠の時間の存在意義なのです」
セフィラは、イゼルの「二度の愛」という言葉に、胸を鷲掴みにされた。彼は、時を遡った秘密をすでに知っているのだろうか?
セフィラとイゼルの時間の流れは、ミケラという接点を通して、徐々に混ざり合い始めた。しかし、セフィラは、未来の記憶による内なる孤独に苦しむ夜、イゼルに冷たい態度を取ることを自分に強制した。
セフィラが未来の記憶という重い鎖による孤独感に苦悶する夜、ミケラはセフィラの胸元に静かに乗り上げ、イゼルの温もりと森の香りを意図的に振りまいた。セフィラは、ミケラを介して、イゼルの変わらない愛を再確認せざるを得なかった。
「ミケラ…あなたは、私と彼の運命の軌跡を全て知っているのね」
ミケラは、セフィラの孤独な魂を慰め、イゼルの愛の伝達者としての重要な役割を担った。セフィラは、イゼルへの抑えきれない思いを認めながらも、最後の抵抗という孤高の壁を築こうとした。




