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時を巡る想い人 ~死に際にタイムリープした女騎士は最愛のエルフと寄り添いたい~  作者: 極北すばる


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第五話 旅立ち

 セフィラが騎士団を辞め、旅に出ると、騎士宿舎に残された愛猫ミケラが姿を消した。


 旅の準備をしながら、ミケラの不在に気づいたセフィラは、胸が締め付けられるような痛みを感じた。


「ミケラまで、私を孤独の淵に突き落とすつもりなのね。やはり、あの猫は、永遠のイゼルのそばにいることこそが、本当の安らぎだと判断したのだろう」


 セフィラは、ミケラの行動を「正直な選択」として受け入れた。愛する存在すべてに、未来の孤独という重い鎖を押し付けたくなかったのだ。


 一方、イゼルは、セフィラの二度目の拒絶に深く傷つきながらも、セフィラの真意を洞察しようと、森の中で静かに佇んでいた。そこへ、優雅な長毛を揺らしたミケラが現れた。


 ミケラは、イゼルの足元で「ニャア」と小さな鳴き声を上げ、セフィラの部屋から持ってきた、セフィラの匂いが染み付いたマフラーを、イゼルの足元にそっと置いた。


 イゼルは、ミケラの象徴的な行動から、セフィラの孤独と、その裏に隠された愛をはっきりと感じ取った。


「ミケラ…君は、彼女の孤独な記憶を分かち合っているんだね」


 ミケラはイゼルに寄り添い、まるでセフィラの現在地を示すかのように、森の奥深くを向いて鳴いた。イゼルは、ミケラの無言の道案内に、セフィラの愛のメッセージを正確に読み取った。


「セフィラは、愛ゆえに私を拒絶した。だが、彼女は、私に永遠の孤独を与えるのではなく、彼女が生きた証を理解してほしいと、無言で訴えているのだ」


 イゼルは、セフィラを「愛ゆえに」追跡するのではなく、セフィラが「自分の命を軽んじているのではないか」という騎士としての懸念から追うことを決意した。彼は、人間の時間の切実な価値を理解するため、あえて人間的な手法(徒歩、馬)を用い、ミケラを連れてセフィラの後を追った。

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