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第7話: 黒焔の城の決戦と炎の代償

1. 黒焔の城の最深部

カズマ・ヒノカミとリリア・ブレイズは、黒焔の城の最深部――魔王の玉座へと続く闇の回廊を進んでいた。城の空気は重く、壁には不気味な炎が揺らめく。カズマは進化したインフェルノ・ガトリングを握り、いつもの軽口で場を和ませようとする。

「なぁ、リリア。この城、めっちゃダークな雰囲気だけど、焼き肉パーティー開いたら盛り上がりそうだよな!」

「アンタ、こんな時まで焼き肉かよ……。ほら、集中しろ。魔王がすぐそこにいる」

リリアの声は緊張に満ち、彼女の剣を握る手には汗が滲む。魔王――彼女の父親との対決が迫っていた。

回廊の先で、巨大な扉が開く。そこには、四天王の残る一人「氷皇セレナ」が待ち構えていた。白銀の髪をなびかせ、氷の魔法を操る美女だ。

「炎の転生者、そして我が主の叛逆の娘よ。貴様らの旅はここで終わる」

セレナが手を振ると、回廊全体が氷結し、カズマとリリアの足元が凍りつく。

「うわっ、寒っ! こいつ、俺の火球を凍らせる気か!?」

「カズマ、火力を上げろ! 氷は熱で溶かすんだ!」


2. 氷皇セレナとの激戦

カズマはガトリングを構え、叫ぶ。「マシンガンファイアボール、テラフレア・ストーム!」

無数の火球が氷の壁を突き破り、セレナを襲う。だが、彼女は氷の結界を展開し、火球を次々と凍結させる。

「くそっ、めっちゃ硬えな! けど、俺の炎はそんなもんじゃ止まらねえ!」

カズマがガトリングの出力を上げると、武器が赤く脈動し、炎の神の声が再び響く。「我が力を解き放て……全てを焼き尽くせ!」

カズマの体に激痛が走るが、彼は歯を食いしばる。「うるせえ! 俺のガトリングだ、黙ってろ!」

リリアが氷の結界を剣で切り裂き、セレナに肉薄。「カズマ、今だ! フルパワーで撃て!」

「よっしゃ! インフィニティ・ブレイズ!」

ガトリングから放たれた巨大な火球が、セレナの結界を粉砕。氷皇は悲鳴を上げ、氷の彫像のように崩れ落ちる。だが、カズマは膝をつき、血を吐く。ガトリングの反動が、彼の体を確実に蝕んでいた。

「カズマ! 大丈夫か!?」 リリアが駆け寄るが、カズマは無理やり笑う。

「ハハ、平気だ……ちょっと熱すぎただけ。ほら、魔王待たせんなよ!」


3. 魔王との対峙

玉座の間へと踏み込んだ二人を待っていたのは、圧倒的な存在感を放つ魔王ガルザード。漆黒の鎧に身を包み、紅の瞳がリリアを貫く。

「我が娘、リリアよ。よくぞ戻った。そして、炎の転生者……貴様のガトリング、我が野望の最後の鍵だ」

カズマはガトリングを構え、ニヤリと笑う。「鍵? 悪いな、こいつはただのぶっ壊しマシンだぜ! 魔王だろうが燃やしてやる!」

だが、リリアは剣を握り、声を震わせる。「父さん……私は、アンタを止めるためにここに来た。アンタの野望は、この世界を滅ぼす!」

魔王は冷たく笑う。「愚かな娘よ。世界は炎で浄化されるべきだ。カズマのガトリングは、炎の神を復活させ、我が覇業を完成させる!」

戦闘が始まる。魔王の闇魔法がカズマとリリアを襲い、空間そのものが歪む。カズマの火球は魔王のバリアに阻まれ、リリアの剣も弾かれる。

「くそっ、こいつ、めっちゃタフじゃん! リリア、なんか弱点ねえの!?」

「父さんの弱点は……心だ。カズマ、私を信じて、最大の火球を撃ってくれ!」

リリアは魔王に突進し、剣を振り上げる。その瞬間、彼女の剣に聖なる湖のオーブの光が宿る。魔王のバリアが一瞬揺らぎ、カズマは全魔力をガトリングに注ぐ。

「マシンガンファイアボール、エターナル・インフェルノ!」

炎の奔流が魔王を飲み込み、玉座の間が紅蓮に染まる。だが、ガトリングの暴走が止まらず、カズマの体が崩れ落ちる。リリアが叫ぶ。「カズマ! やめろ、死ぬぞ!」


4. ミラの真実

戦闘の混乱の中、ミラとガロンが再び現れる。ミラは短剣を構え、カズマに迫る。「そのガトリングを破壊する! 炎の神が復活すれば、世界は終わる!」

だが、リリアがミラの前に立ちはだかる。「チビ! カズマを傷つけるなら、私が相手だ!」

ミラは一瞬、目を細め、静かに語る。「私は……炎の神に滅ぼされた村の生き残りだ。あのガトリングは、私の家族を奪った力の源。カズマ、お前は知らずに神の器を手にしている」

カズマは意識が薄れながらも、ガトリングを握り直す。「ハ……家族、か。悪いな、ミラ。けど、俺はこいつでリリアと世界を守るぜ」

その時、ガトリングから眩い光が放たれ、炎の神の幻影が現れる。「我が復活は近い……カズマ、汝の魂を我に捧げよ!」

カズマは叫ぶ。「ふざけんな! 俺の魂は俺のもんだ!」

リリアとミラが一瞬、目を見合わせる。ミラは短剣を下ろし、呟く。「カズマ……お前の意志、試させてもらう」


5. 決戦の先へ

魔王は倒れたが、完全には滅びず、闇の残滓となって消える。「リリア……我が娘よ、炎の神が目覚める時、真の終焉が来る……」

カズマはリリアに支えられ、立ち上がる。「ハハ、魔王、けっこうタフだったな……けど、俺たちの勝ちだろ?」

リリアは涙を浮かべ、抱きしめる。「バカ……無茶しすぎだよ。アンタ、ほんと無双だな」

だが、ガトリングの輝きは収まらず、カズマの体は限界に近い。ミラが二人に告げる。「カズマ、次の戦いは炎の神だ。そのガトリングを制御できなければ、お前自身が滅びる」

カズマはニヤリと笑う。「なら、そいつも燃やしてやるよ。リリア、ミラ、一緒に来いよ。次は神様相手に無双だ!」

黒焔の城が崩れゆく中、三人は新たな戦いへ向けて歩き出す。炎の神との最終決戦が、すぐそこに迫っていた――。


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