第4話: 魔王軍の罠と燃え盛る絆
1. 魔王軍の前線基地へ
カズマ・ヒノカミとリリア・ブレイズは、ルナリスの街から馬車で揺られ、魔王軍の前線基地がある「黒霧の谷」へと向かっていた。ギルドからの依頼――「闇の司祭」の討伐――は、1千万ゴールドの報酬と引き換えに、カズマのテンションを最高潮にしていた。
「へっ、1千万ゴールドだぞ! これで借金返して、豪邸建てて、毎日焼き肉パーティーだ!」
カズマはインフェルノ・ガトリングを磨きながら、ニヤニヤが止まらない。
「アンタ、ほんと脳みそ火球でできてんな……」
リリアは呆れ顔だが、彼女の瞳には決意の炎が宿っていた。魔王軍の幹部「闇の司祭」は、彼女の過去に関わる重要人物。カズマにはまだ明かしていないが、この戦いは彼女にとって運命の分岐点だった。
馬車が谷の入り口に差し掛かると、突然、濃い霧が辺りを包み込む。馬が怯え、御者が慌てて叫ぶ。
「こ、この霧、ただものじゃねえ! 魔王軍の罠だ!」
「ハハ、霧ごときでビビってんじゃねえよ! まとめて焼き払うぜ!」
カズマがガトリングを構えた瞬間、霧の中から無数の影が襲いかかってきた。魔王軍の刺客、闇のゴーレムだ。
2. 火球と剣の乱舞
「マシンガンファイアボール、バーストショット!」
カズマのガトリングから放たれた火球が、霧を切り裂き、ゴーレムを次々と爆砕。だが、ゴーレムは再生し、数を増やしてくる。
「ちっ、しぶといな! リリア、援護頼む!」
「言われなくても!」
リリアの炎の剣が閃き、ゴーレムの核を正確に突き刺す。彼女の剣技はまるで舞踏のように優雅で、火球の爆炎と相まって戦場は壮絶な光景に。カズマの火力とリリアの精密な攻撃が噛み合い、ゴーレムたちは次々と崩れ落ちる。
だが、霧の奥から不気味な笑い声が響く。
「ククク……炎の転生者と魔王の娘、面白い組み合わせだな」
現れたのは、黒いローブに身を包んだ「闇の司祭」ガルドス。手に持つ杖から放たれる闇の魔法が、カズマたちを包み込む。
「カズマ、気をつけろ! こいつの魔法は精神を蝕む!」
リリアの警告に、カズマはニヤリと笑う。
「精神? 俺の頭は火球でいっぱいだから、そんなもん効かねえよ!」
3. 闇の司祭との激戦
ガルドスの魔法は、カズマの視界に幻覚を映し出す。燃える故郷、泣き叫ぶ家族――だが、カズマは一蹴する。
「ハッ、こんな偽物の幻なんか、俺の火球で焼き尽くす!」
「マシンガンファイアボール、インフェルノ・テンペスト!」
ガトリングから放たれた火球の嵐が、ガルドスの闇魔法を吹き飛ばす。だが、ガルドスは不敵に笑い、新たな魔法を展開。地面から巨大な闇の触手が伸び、カズマとリリアを絡め取ろうとする。
「リリア、俺が触手を焼き払う! お前はあいつの杖を叩き斬れ!」
「了解! 任せな!」
リリアは触手を跳び越え、ガルドスに肉薄。彼女の剣が炎を纏い、杖を一閃で両断。ガルドスが動揺する隙に、カズマが全力の火球を叩き込む。
「くらえ! メガフレア・オーバードライブ!」
爆炎が谷を飲み込み、ガルドスの悲鳴が響く。だが、倒れる直前、ガルドスはリリアに囁く。
「リリア・ブレイズ……お前の父、魔王は失望するぞ……」
戦闘が終わり、霧が晴れる。カズマは息を切らしながら、リリアに声をかける。
「おい、リリア。あいつ、なんか変なこと言ってなかったか? お前の父って……?」
リリアは一瞬、目を逸らす。「……なんでもねえよ。ほら、報酬もらって焼き肉行くぞ!」
だが、カズマは彼女の強がりに何かを感じ取る。
4. ミラの再来とガトリングの異変
ルナリスに戻った二人だが、休息は長く続かなかった。その夜、宿屋の窓から黒い影が飛び込んできた。またもやミラだ。
「カズマ・ヒノカミ。貴様のガトリングは危険すぎる。今すぐ破壊する!」
ミラの短剣が光り、カズマのガトリングを狙う。だが、リリアが間に入り、剣で攻撃を防ぐ。
「チビ、いい加減にしろ! カズマの武器に何の恨みがあるってんだ!」
ミラは冷たく答える。「その武器は、炎の神の封印を解く鍵だ。解放されれば、この世界は終わる」
カズマはポカンと口を開ける。「は!? 炎の神? 封印? なんの話だよ!」
その時、インフェルノ・ガトリングが勝手に脈動し、カズマの手から赤い光が溢れ出す。
「な、なんだこれ!? やべえ、熱っ!」
ガトリングから放たれた炎が部屋を焼き、ミラは一瞬の隙をついて姿を消す。
リリアがカズマの手を握り、叫ぶ。「カズマ、落ち着け! その武器、絶対ただものじゃねえ! 私も……話さなきゃいけないことがある」
カズマは混乱しながらも、ニヤリと笑う。「話すなら焼き肉食いながらな! なんか、すげえことになってきたぞ!」
5. 次の戦場へ
翌日、ギルドで報酬を受け取った二人。だが、ギルドマスターが新たな情報を告げる。
「魔王軍の動きが活発化している。次の標的は『聖なる湖』の守護者だ。カズマ、リリア、頼めるか?」
リリアの目が鋭く光る。「聖なる湖……あそこには、父さんの過去が隠されてる」
カズマはガトリングを担ぎ、笑う。「よーし、魔王だろうが神だろうが、まとめて燃やしてやるぜ!」
だが、遠くの森で、ミラが新たな仲間――謎の鎧をまとった戦士――と共にカズマたちを監視していた。「あの武器……絶対に渡さん」




