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時代の変化

 

 代替わりの挨拶をすべて終えた一徹は隠居のような生活を始めた。崇が不在の時に店番をするくらいで、仕事に口を挟むことは一切なくなった。


 そんな一徹の楽しみは孫と遊ぶことだった。つまり、3歳になったばかりの醸との時間を何よりも楽しみにしていたのだ。「じいじ」と言って膝の上にちょこんと座る醸が可愛くて仕方なかったようだ。


 崇は2人の会話を聞く度に幸せな気分になった。「醸ちゃんは、大きくなったらなんになりたい?」と一徹が訊くと、「う~んとね」と目を輝かせて「おしゃかやしゃん」といつも返すのだった。それを聞いた一徹は、「そうか、そうか。おしゃかやしゃんか」と醸の頭を撫でながら、これでもかというくらい目を細めて喜ぶのだった。


        *


 一徹が隠居同様になり、醸との時間を楽しみにしていた時、日本は大きく変わろうとしていた。高度成長が始まろうとしていたのだ。

 1953年2月にNHKがテレビ放送を開始し、大相撲のテレビ中継が始まった。民放でも同年8月に日本放送がテレビ放送を開始すると、珍しさも手伝ってか、街頭に設置されたテレビに多くの人が群がった。一般庶民の生活はまだまだ苦しかったが、人々は明るい希望の光を感じ始めていた。

 翌1954年に『ローマの休日』が封切られると、ヘップバーン旋風が巻き起こり、彼女の魅力に誰もが虜になった。そして、彼女の髪型や服装を真似る女性が増えると共に、イタリアだけでなくヨーロッパへの関心が高まっていった。日本人は日常の生活に追われるだけでなく、少しずつではあるが、世界へ目を向けるようになっていった。



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