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第20話 ライバルの契約

「はーい、リオンのダンジョン配信、今日も絶好調でスタート! チーム『スターライト』、ミリアちゃんとマナミと一緒に、日本平ダンジョン三階の探索を続けるよー! ミスリウムの破片を見つけた僕たち、斎木さんの真相に迫るぞ! みんな、応援よろしくね!」


 ドローンがヒカリゴケの光に照らされた洞窟を飛び、スターライトの三人を映す。

 僕リオンはミスリウム合金のショートソードを手に、オーガ革の鎧に身を包む。腰のハンドガンは緊急時の切り札。

 ミリアはファイアボルトの魔力を溜め、マナミはマジック・バッグを肩にかけ、ポーションを準備。

 視聴者コメントが熱を帯びる。


『スターライト、真相究明ガンバ!』

『ミリアちゃん、斎木さんの妹としてカッコいい!』

『リオンちゃんのハンドガン、また見たい!』

「リオンさん、兄の破片……ここで何があったのか、知りたいです」


 ミリアの声に決意が宿る。彼女のファイアボルトと剣技は、斎木直樹の影響を色濃く受けている。


「うん、ミリアちゃん。僕たちで絶対真相を突き止めるよ! マナミ、荷物管理とポーション、頼んだ!」

「お兄ちゃん、いつでもバッチリ! ポーションもガッツリ持ってるよ!」


 マナミがバッグを叩いて笑う。


『マナミちゃん、元気すぎw』

『スターライトのチームワーク、最高!』


 三階の奥、通路は狭く、モンスターの気配が濃い。

 突然、ゴブリン・マジシャンが現れ、雷の魔法を放ってくる。視聴者コメントがざわつく。


『ゴブリン・マジシャン! ブロンズにはキツい!』

『リオンちゃん、気をつけて!』

「ミリアちゃん、ファイアボルトで迎撃! 僕が動きを止める!」


 何階というふうに呼んでいるが、しっかりした境目があるわけではなく、モンスターは普通に移動してくる。

 たまに強いモンスターが浅い階まで出てくることがあるのだ。

 そしてダンジョンの外にまで出てくるのがいわゆる『スタンピード』と呼ばれる現象だった。


 僕がショートソードで突進し、ゴブリンの動きを封じる。

 ミリアがファイアボルトを放ち、炎がゴブリン・マジシャンを焼き払う。

 マナミが素早く魔石を回収。

 視聴者数が一万三千人に迫り、スパチャもさらに増加する。


「ナイス、ミリアちゃん! マナミもバッチリ!」

「リオンさん、連携バッチリでした! 兄の剣技、もっと磨きます!」

「お兄ちゃん、魔石ゲット! これ、売ったら結構いいお金になるよね!」

『ミリアちゃんのファイアボルト、キレッキレ!』

『スターライト、めっちゃ強い!』


 その時、ドローン越しにサキのブルーファングが近くで配信しているのが見える。

 サキの青い革鎧とミスリウムのダガーが光り、仲間が派手な魔法で援護。

 彼女の視聴者数は一万五千人。


「リオン、いい感じに戦ってるね! でも、私の配信には勝てないよ!」

「サキさん、視聴者数は負けてるけど、スターライトの心は負けない! みんな、応援してね!」

『リオンちゃんvsサキちゃん、熱い!』

『スターライト、ガンバ!』


 サキがドローン越しに挑発してくる。僕はカメラにウィンクして応じる。

 コメントで盛り上がる。


 ダンジョン村に戻り、ギルド亭で休息。そこへサキがやってくる。彼女の笑顔がいつもより硬い。


「リオン、さっきの配信、なかなかだったよ。でも、私、ちょっと話があるんだ」

「え、サキさん、どしたの? なんか深刻そうだけど……」


 サキが声を潜める。


「実は、私、最近マギテック・アイテムズと契約したの。装備のスポンサー契約で、配信にも彼らのロゴ入れるって条件でさ」


 ミリアがハッと顔を上げる。


「マギテック……? 兄が対立してた改革派と繋がってる会社ですよね?」

「うん、ミリアちゃん。サキさん、その契約、大丈夫なの? マギテック、なんか怪しいって噂……」

「分かってるよ、リオン。ぶっちゃけ、金に惹かれただけ。ブルーファングの装備、全部マギテック製に変えるって話で、資金援助がデカいんだ。でも、ミリアちゃんの兄貴の話聞いて、ちょっと気になってきた……」

『マギテック、怪しいぞ!』

『サキちゃん、気をつけて!』


 サキが苦笑する。コメントがざわつく。僕はサキの手を握る。


「サキさん、マギテックが改革派と癒着してるなら、斎木さんの死とも関係あるかもしれない。僕たち、真相を追うよ。一緒に調べてみない?」

「リオン……うん、ちょっと考えるよ。ブルーファングも、ただ派手に配信してるだけじゃダメだなって、最近思ってるんだ」


 ミリアが静かに頷く。


「サキさん、兄の死の真相、私も知りたいです。協力してくれるなら、嬉しい……」


 マナミが串焼きを頬張りながら叫ぶ。


「お兄ちゃん、ミリアちゃん、サキさん、みんなでマギテックの闇暴こうよ! ポーター、ガンガン応援するよ!」

『スターライト&ブルーファング、共闘で真相究明!』

『マギテック、絶対許さねえ!』


 僕はカメラに向かって宣言する。


「みんな、スターライトは斎木さんの想いを継ぐよ! マギテックの闇、絶対暴いてみせる! サキさんも、ブルーファングも、一緒に戦おう!」


 視聴者数が一万四千人に急上昇。

 スパチャもいくつも飛んでくる。応援してくれているのを感じる。

 トカゲ丼を食べながら、僕たちは新たな決意を固めた。

 斎木さんの死の裏には、ギルドとマギテックの深い闇がある。

 スターライトとブルーファング、ライバルを超えた絆で、真相に迫る!



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