雲と空と雲
初めまして。作者です。これが初めて(?)書かせていただいた小説となります。以後お見知りおきを。インスピレーションが頭を直下掘りしてきたので、勢いで1話を全部書いてしまいました。出来るだけしりすぼみにならないように尽力します。因みに作者は飽き性なので、気を付けてください。では、是非作品をお楽しみください。
私?俺?僕?...さぁ、分からない。
まぁここには誰もいないので今は考えなくても良いだろう。取り敢えず「自分」と名乗る事にする。
脳の仕組みとやらはよく分からないが、どうやら言葉と知識は無事のようだ。
自分や自分の知人への記憶が完全に抜けている。知人が1人もいなかった、という可能性は悲しいので捨てる。
これらの状態から察するに、自分はいわゆる記憶喪失になってしまった、と言ったところか。
自分は誰かに名を名乗る事すら出来ない。何も思い出せないのだから、当たり前なのだが。
記憶がない状態だといつもより冷静になっている気がする。覚えていないけれど。
自分の体をみてみると、背が高く、結構痩せている。発育の良い男子中学生という感じがする。受験生かもしれない。
前髪が目にかかったので頭を少し振った。
自分の体を見るのは程々にして、自分の周りの景色に目を向けた。
突然自分の目に、何だか目が受け付けない様な、とても現実とは思えない様な光景が飛び込んできた。こんがらがっている自分の頭で、ただ1つ感じられることとすれば、この景色は綺麗である事だ。
大分目も慣れてきた。景色をもう一度しっかりと見てみる。紫がかった雲と桃がかった空が混ざり合う様にして、夜明け前や、昼と夜の間の様な絶妙な暗さを演出しながら広がっている。
地面は鏡のようになっていて、自分は地面に触れているという感覚はまるで無い。その鏡は空に広がる雲と空を純粋に映し出している。
そんな景色が遥か彼方へと無限に続いていた。
自分は何故ここにいるのだろうか。幻想的な世界に包まれながらそう考える。
何か目的を持ってここに来たのか、それとも彷徨いながらここへ辿り着いたのか。
しかもここはとても現世とは思えない。地球を全て制覇してはいないので一概にそうとは言えないが。ただ、この景色はオーロラなどの比では無いほどに美しい。少なくとも自分はそう感じる。
異世界というものを、自分はよく知らない。仮に自分が死んで異世界に飛ばされているとしたら、この状況に無理矢理説明をつかせることが出来るだろうか。
記憶が無いので、元からこの世界の住人である可能性も否定は出来ない。ただ、この景色を初めて見たあの感覚だけを頼りにするとすれば、自分はこの世界とは違う世界にいたはずだ。
考えていても仕方が無いと思い、立ち上がった。この体、思ったよりも背が高いな。
自分を求めて、宛もなく歩き出した。
如何でしたでしょうか。因みに今回、改行や空白を除いた純粋な本文の文字数が、1000文字ピッタリです。(˙︶˙)
前書きも後書きもこれから今回程は書かなくなるかも知れません。作品の質を下げるつもりは無いので、ご安心下さい。 一応作者も受験生なのでね...
次回の投稿日なのですが、書けたら出します。非常に無責任なのですが、そこまで時間はかけないつもりですので許して下さい。
それではまた!