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ヒューマンヘイトワンダーランド  作者: L
三章 多眼竜討伐戦
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十三話「平和なひと時」

ここは、食事処「豊穣の大地」。

ライラック、セーリスク、イグニスは食事をとっていた。


「満腹だな……」


イグニスは、セーリスクと比べても負けないほど食事をとっていた。

満腹まで食べた影響か少しお腹が膨らんでいた。

セーリスクは、イグニスが自身と同じぐらいの料理を食べていることに驚いていた。


「イグニスさん結構食べるんですね」

「私は、サラダぐらいでお腹いっぱいかな」


豊穣国の料理は、家畜としての鶏や豚などの肉を調味料で味付けしたものや、

様々なフルーツと野菜を組み合わせたものが多い。

サラダといっても、その量はとても多い。

単品だけで、満腹になってしまうのではないかと思うほどだ。


「いや、昔はそれほど食べなかったんだが……

旅に出てからいろんな料理を食べるうちに料理に飢えてしまう場面が増えてしまって」


恥ずかしそうに、イグニスは二人に大食いの理由を話す。

ライラックは、そんな綺麗なお腹周りの一体どこにたくさん

あった料理が入るのだろうと疑問に思っていた。

セーリスクは、それを興味深くきく。


「でも、僕みたいな体格だったらともかくいっぱい食べられるのはいいですね」

「そうなのか?」

「豊穣国では、食事に飢えることは基本的にないですから。

食えるなら食えるだけそれは力に変わります」


ライラックは、自分もイグニスと同じぐらい

食べたらイグニスのような体に近づけるだろうかとじっと体見ていた。


「そういえば、イグニスさんはどんなところを旅していたんですか?」

ふとそんなことが思いうかんだのだろう。

ライラックは、あまり深く考えず質問を口にする。



「そうだな……国一面が森に覆われている国とか、

一年中雪しか降らない国とかも行ったことがあるぞ」

「雪……」

「雪は余りこの国ではふらないのか?」

「降らないですね。学校とか、本ではそういった話は聞きますけど」


豊穣国は、一年中温暖な気候だ。

雨などは基本的に降るが、冬という気候がそもそも短い。

国としては経験したことがあるだろうが、直接触れたことがあるという人は少ない。


「そうか…‥その国では、雪が降りすぎて機械に頼ることが多かったんだ。

まぁ、食料があんまり得られなそうだったからすぐその国は出ることになったんだけど」

「へぇ、でも興味深いですね。ここの国民はなかなか国外に出ることはありませんから」


「まあそうだろうな。俺が行った国の中でも一番平和だと思うよ。

国としての文化も水準もこの国は軒並み高い。

一つの懸念点は、その財力が軍事に使われていないということだが‥‥‥」

「この国は、もともと中立国だったじゃないですか」

「うん」

「それはやっぱり獣王国の存在が大きかったんですよね」


そうセーリスクは、語りだした。

ライラックは、そんなセーリスクをじっと見つめる。


「多くの人を

受け入れられるだけの豊かさがこの国にはありました。

そしてそれは隣国の獣王国にも共有された。

獣国の王子さまも元々留学だったんです。

王子の留学は二国間における平和の象徴でした。

だから中立国はわざわざ戦力を持つ必要がなかったんです」



獣王国の戦闘経験は他の国と比べても段違いだ。

その軍事力は、他の国とは比べ物にならないだろう。

そしてその最強の盾は、

豊穣国に向けられる矛となった。

最強の後ろ盾をなくした豊穣国が

戦闘を継続する方法は少ないだろう。


「つまり、過去にあった豊穣国の平和は獣国ありきの部分が多かったんだな」

「正直、今の豊穣国と獣王国の衝突は他の国にとっても目を離せないものだとは思います。

戦争の影響で、貿易も以前より減っていますしね」


イグニスは、マールのことを考えていた。

この先の獣国との戦いの中で自分の目標はマールを取り戻すことだ。

しかしあのトカゲの獣人のような人物がいる以上、

豊穣国が真正面から獣王国に勝つのは難しいだろう。

そのためには、豊穣国にはなおさら協力しないといけないようだ。

さきほどの法皇国の人物が頭によぎる。

なにか法皇国がなにか手を出してなければよいのだが。


「貿易といえば、シャリテさんから」


気絶して時間は少し空いている、以降シャリテとは連絡が取りにくくなっていた。

イグニスは手紙を受け取る。

そこにはシャリテからの言葉が書いてあった。

その内容は、謝意とシャリテのサイン、紹介状のようなものが入ってあった。

手紙はかなり分厚く、資料のようなものなど詳しく書き込んであった。

イグニスは手紙を手に取り、その内容を読む。

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