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ヒューマンヘイトワンダーランド  作者: L
二章 異物の少女
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十二話「食事のなかで」


浴室から少しでたところから渡り廊下をしばらく歩いた。

家の外観に合わせているのか、その渡り廊下は同じアジアンチックな装飾品などが置いてあった。お香のようなものもたかれているのかその廊下には何かしらの花の匂いが充満していた。


「シャリテ様がいらっしゃるのはこの部屋です。お食事もおいてありますのでゆっくりしてくださいね」


そういってメイドは扉を開けるのだった。

そこには大きなテーブルが置いてあり、既にシャリテが座っており、

そばにはアカンサスが控えていた。


「風呂から上がったのか。どうだ、うちの風呂は」

「湯が冷めることもなくて快適だったよ。石鹸もいいものを使ってるんだな。マールが喜んでた。ありがとう」

「風呂に入らせた程度でそんな礼を言わないでくれよ。これから食事だぞ?」


事実そのテーブルには、主食としてライ麦パン。

副菜として鶏肉の香草焼きや野菜が多く入ったコンソメスープなど

体があったまるものがおいてあり、そのほとんどが手の込んだものとなっていた。


「風呂といい、食事といい。何から何まで申し訳がないな……」

「そんなことに気をつかうぐらいなら、とっとと食べてくれ。冷めてしまうだろ? マールちゃんが何よりかわいそうだぞ」


マールはいまかいまかと待っており、その顔には食欲という欲望があふれ出ていた。

その衝動を抑えるので精いっぱいのようだ。


「そうだな……マール食べていいよ」

「いいの?」

「ここに座ってくださいね」


アカンサスはマールに席を指定する。

マールはおとなしくそれに従い、即座に席に座ったようだ。

座ったマールにアカンサスは布製の小さなエプロンのようなものをつける。


「これでお食事が服につくことを心配しなくてもよろしいですよ」

「ありがとうございます」

「いえいえ、お気になさらず」

「では、イグニス様。そこにお座りになってください」


イグニスも同様に指定された席に座るのだった。


「エプロンはお使いになりますか?」

「お気遣い有難いですが、俺は大丈夫ですよ」

「そうですか、ではお食事をお楽しみください」

「ありがとう、アカンサス。では自室で休んでいていいぞ」

「そうですか。ではまた」


シャリテに指示されたアカンサスは食事部屋からでていった。


「よし、それでは食事をまずは楽しもうか」

「話はまだいいのか?」

「腹が減っていては まともに考えることもできないだろう」

「そうだな……では有難く頂かせてもらうよ」


イグニス達は食事に手を付けた。

スープは空腹の腹の中にとても染み、胃を温める気持ちのよいものだった。

そのコクの強い味にイグニスとマールは感動した。

野菜も程よく煮込まれており、強くかむことなくほろほろと優しく崩れた。

少し硬めのライ麦パンは、その温かいコンソメスープによく合っていた。

最後に二人は、香草焼きの鶏肉に手を出した。

ナイフで丁寧に切り取られたそれは、イグニス達の口になかに入っていった。

口の中に入れたとたんその鶏肉は香草の香しさと共に肉に染みた油を排出した。

その肉汁と厚い肉をイグニスは堪能した。

マールはその自身が味わったことのない味に動揺し、目が正気ではなくなっていた。


「マール。落ち着きなさい」


イグニスはマールを優しくたしなめる。


「ごめんなさい、おいしくて」

「そこまで喜んでくれたなら、うちの料理人も喜んでくれるよ」


少し食べ続けるころには、テーブルの食事はほとんどなくなっていた。


「そろそろ、あのトカゲの化け物とアンデットについて話を聞こうか」

「そうだな」

「イグニスは、あの化け物を竜と呼んでいたがなにか知っているのか?」

「俺も実際にみたことがあるわけじゃないし、絵画のようなものだ。あのトカゲが竜だと確信をもてているわけじゃない」

「伝承でもいい。おしえてくれ」

「人間の話と似たようなものでおとぎ話に近いんだ」


そう話して、イグニスは竜の伝説を話す。

人間と亜人、獣人、妖精族の戦争の際そこに加わったのが竜という存在だと。

そしてその竜たちは戦争の終結と同時に姿を消した。ある言葉と共に。

竜と人間を含めた全種族が相まみえるとき、世界が滅びる争いが起きると。

なにしろ戦争自体がかなり昔で、人間もいた時代となるとかなり知る人物は限られる。

それこそおとぎ話のように一部の書物でしか知られない情報だろう。

シャリテはそう考え、イグニスの話を聞く。


「これに関しては、知っている人も少ないと断言できる。俺自身知ったのは偶然だしな」

「竜というのはは確か、人間という言葉を使っていたな」

「あぁ、あの竜……多眼の竜は確かにマールと人間を合わせろと言っていた」


そのなかで、ある一つの事件が思い出される。

人間の脱走。骨折りが、獣王国で起こした事件のことだ。


「獣王国での最後の人間の脱走劇、そして竜とアンデットの出現地帯……明らかに獣王国では何かが起きている」





門番に関連のある人物について紹介。

兵士がよく良くいく食事処、その名は「豊穣の大地」。

そこのパンはおいしくて評判らしい。

噂には、ある商人も気に入ってるとか。

今回は看板娘の紹介です。


名前はライラック。

亜人の一人です。

髪の毛はボブぐらい。

シャリテ家メイドとは商品の行き来で仲良くなり、

休日は遊んでいる。

紫色の髪をしており、肌も紫よりです。

最近話題になっている才能ある門番君くんのことがきになっているらしい。

お店にもきてくれてとても幸せ。

だがその門番が誰かに恋をしていることを知ることとなる。

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