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憎いほどに太陽が輝く朝。
私は最低限の荷物を持って、王城の出口まで歩いて行った。
後ろには、数多くの兵士と、我国__オードリシュ王国の国王が着いてきている。
何故こんなことになっているのか?
それは、1日前に遡らなければならない____。
✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄1日前✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄✄
「フィオナ様、国王陛下がお呼びです」
「へ?私?」
突然私室に入ってきたメイドは、想像していなかった言葉を発した。
国王陛下が私を呼んでいる?公の場にも嫌がって出さず、私と長らく話していない父が?
「どういう用件なの?」
「私も知りません。陛下は呼んでこい、としか仰りませんでした」
「あぁ、そう。…わかった、今行く」
メイドは頭を軽く下げて、私の私室をそそくさと出ていった。
ぱたん、と読んでいた本を閉じて、溜め息を吐く。
…一体、どういう風の吹き回しだろうか。私を国の恥だと、5歳の頃から王城の奥深くに閉じ込めていたくせに、今更呼び出し?
やっと外に出してくれるとか?いや、まさか。私はもう19歳。若い姫として出すのはあまりに不自然だ。
「わからない…。行くしかないか」
またも大きな溜め息を吐いて、私は私室を出た。