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無題
俺はどこか暗い空間にいる。自分の体は見えないので、目は開いているのか開いていないのかもわからない。
周りには何も無い。真っ暗な空間だ。自分が今どうなっているのかすらわからない。
浮いているのか、沈んでいるのか。安定しているが地面に触れている感覚はない。
その空間は暑くも寒くもなく、身体が不快になることはなかった。
ここはどこなのだろう。そしてなぜ俺はこんな所にいるのだろう。
意識ははっきりせず、思考が上手くできない。
「た……て」
声が聞こえる。女性の声だ。
「た……て」
誰の声で、何を言っているんだ。
「た……て。」
何度も耳を澄ませようとするが、身体が上手く動かせない。頭がぼうっとしている。
「わかった。」
俺は何故か声に返事をした。自分でも何故かわからない。
自分の意思ではなく、勝手に返事をしたのだ。
暗い世界に俺の意識が吸い込まれていく感覚があった。
その時、ハッキリと聞こえた。
「たすけて。」