少女との出会い(ライル編)
今回ライルが主人公です!
2、3話くらいかもっと長いかもしれませんが、お付き合いください。
夜、人通りの少ない細い道を歩いていると、がらの悪い男三人が少しばかり痩せすぎに見える一人の少女を取り囲んでいた
「おい、こいつは上玉だぜ」
背の低い男がニヤニヤしながら言った
「こりゃだ大したもんだ、いい商品が入ったな」
一番背が高い男が仲間に話しかける
「ああ、高く売れるぞ」
小太りな男がこれから入る金を想像し気味悪くニヤリと笑った
『…人身売買の商人か?』
見てしまったからには、見て見ぬふりはできないな
面倒なことにならなきゃいいが、まぁこのフードのお陰で姿は隠せるか…
「おい、その子を離せ」
男達がこちらを向く
「あぁ?誰だよお前!」
邪魔されて苛立っている男が、こちらに怒鳴る
「お前らに、名乗る必要はないだろう?」
「っんだと!?」
わざと冷静に言うと男はさらに怒ったようで、顔を真っ赤にした
「おい!お前ら!こいつやっちまえ!」
ライルは殴りかかってきた男をひらりと翻し、反動で前のめりになっていた男に足をかけ転ばせた、 ビタン!と音をたてて勢いよく
顔をぶつけてうずくまった
「このっ!」
もう一人の男も殴りかかってくる
ライルがまたもひらりと翻すと、同じように前のめりになる、そして男を後ろ向きで蹴ると前の男よりも派手に地面に激突した
「ひっ!」
そして仲間二人がやられて顔が真っ青になってひきつっている男のもとに走り、呆然と見ている少女を傷つけないように意識し軽く足で蹴り飛ばす
ライルにとっては軽い蹴りだが、相当な強さのそれは気絶させるには十分だった
「君、大丈夫か?」
ライルが話しかけると、少女が首をたてにふった
彼女の目に怯えはなかった
『ほぉ…あれだけの目にあい、いきなりこのローブを被った怪しいやつに助けられても、目に映るのは強さ…か』
ライルのローブは大きく顔がすべて隠れてしまうもので、怪しく感じるのが普通でいつも怯えられている
少女の見た目は痩せていて、肌や髪は洗えていないのか汚れてくすんでいたが
よくみると商人がいっていた通り美しかった。彼女の目は、やはり強さを秘めていて凜としていた、彼女の目に引き込まれつい見とれていると
フッと少女が倒れた
慌てたが、受け止めることができた
「っと、大丈夫かい?」
そう言うと彼女は少し目を開け、コクンと頷いた