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プロローグ
初心者に0から教えていく体裁をとり、航空機に詳しくない人でも読める構成にしたいと思います。
この小説には出鱈目な部分が多くあります。内容を真に受けないでください。
ーーー騎士はやがて馬を降り、鋼鉄の猛禽に乗り込んだ。
戦闘機。近代戦争を象徴する機械工学と航空力学の神髄が、元をたどれば貴族騎士達の系譜に連なることをご存知だろうか。
馬を操り剣を振るった騎士達は、時代の変化に伴い初期の戦闘機パイロットとして大空の騎馬戦に身を投じることとなる。そう、最初に空で戦ったのは他ならぬ騎士身分の者達だったのだ。
それからおよそ150年。いまだ、騎士の系譜は途切れてなどいない。
現代技術によって徹底的にチューンナップされた『本物』の戦闘機を操り、レーサー達は大空を駆ける。
エアレース・レジェンドクラス。
勝利条件は『敵機の撃墜、或いは拠点目標の破壊』。
改造規約はただ一つ、『プロペラ機であること』のみ。