Prologue
奈須きのこさん著作の空の境界という小説作品がある。
その世界観に魅せられた人は多いだろうし、他の作品でもいいが、彼の描いた世界観に没頭した、もしくは今現在進行形で没頭している人も多いと思う。
私もその一人である。
元々魔術・超能力というジャンルは好きだったけれども、奈須きのこさんが描くTYPE-MOONの世界観は随一だった。
ただ、人が作った世界観だけに浸るのは楽しいが、自分で世界観を作りたいと思う人だっているはずだ。
と言うことでオリジナル作品ではありますが、この作品の根底にあるのは「奈須きのこさんの描く世界観」への憧れです。
その為意識して外すようにはしているのですが、似通う部分があるかもしれません。
そう言ったところをパクリだと言われても私は文句を言えないでしょう。
ですので、先に謝罪をしておきます。
私は奈須きのこさんの描く世界観を貶すつもりはありません。ですがもし私の作品を見てそのように思われる方がいましたらそっとブラウザを閉じてください。くれぐれも、自身の中にある奈須きのこさんの世界観を汚されることのないよう……。
それは合わせ鏡。
それは無限の迷宮。
繰り返しに終わりはなく、始発電車はとうの昔にホームを離れた。
私以外がいないホームにアナウンスは鳴り響く。
──本日は当駅をご利用いただき有り難うございました。ここが貴方の終着駅。列車は回送列車となりまして、車庫へと移ります。お乗換えは来世。生まれ変わりは未定です。
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予兆はあった。
確定的な物ではなかったけれども、何か、予感めいたものは確かに私の中に存在していた。だからかもしれないが、私は今回の事に驚きこそしたものの、しかしどこか冷めた目で物事を捉えていたのも事実だ。
ただ、思うところがないわけでもない。
どうして彼が死んだのか。
どうして彼が死ななければいけなかったのか。
そればかりが疑問に残り、私の中にもやもやとした不安感を残らせている。