オオカミと愉快な仲間たち!?
今回は、悠雷目線でお送りします!
あと、次回あたりから前書き、後書き、でキャラクターの紹介したいと思っています。
怜理が嘘を吐いていた。それがショックで。
嘘を吐いた時の独特な匂いがまだ鼻に残っていた。
まぁ、嘘を吐いてまで隠すような事だ。根掘り葉掘り聞く気はない。でも興味が無いと言い切れないのも事実だ。
--次の日----------------------------------------------
今日は「ギルド推薦」といって以前の実践試験と進級試験の成績によりギルドと呼ばれるチームから推薦を受けるのだ。
俺は進級試験だけは編入する時に参加したが実践試験には参加していないので、進級試験の結果だけで推薦を受けているらしい。
「悠雷!どれ選ぶ?」
後ろから抱きついて来たのは、彼女の怜理だった。その後に続き、友達だと話していた双子がいる。進級試験と実践試験ともにこの学年ではトップだった怜理はもちろん6枚すべての推薦状を持っている。
推薦は全クラス共同で行う。というか推薦後はギルドに分かれて生活を送るので、実質クラス替えとも言える。
ちなみに、
レッドユニコーン、攻撃専門。
ブルーペガサス、防御、護衛専門。
グリーンフェアリー、怪我人の保護、治療専門。
イエローキメラ、武器の開発専門。
ブラックドラゴン、上記の全て。ごく一部の生徒しか入れない。
ホワイトドラゴン、ブラックドラゴンの補欠メンバー
の内のどれか一つに入らなければならない。俺の手元には緑、黄色、白の三つだけだ。双子の男の方は俺と同じ。という事を考えると俺は進級試験でかなりいい成績をとったらしい。もう一人の方は赤、青、白の三つ。
最終的に選んだのは、桃がレッドユニコーン。柚がイエローキメラ。俺がホワイトドラゴン。怜理がブラックドラゴンである。心なしか、彼女に負けた気がするのは気のせいであってほしい。
ホワイトドラゴンは補欠メンバーなのでほとんどだれも選ばず、専門的なギルドに行くそうだ。俺は開発より攻撃型なのでここを選ぶ他なかっただけだ。
そそくさとギルド室に移動する。長い廊下を歩くと大きな白い龍の描かれた扉が出現した。
この奥に俺の同僚となる人たちがいるのだ。よし。
「こ、こんにちは~。」
よし。と思った割には恐る恐るドアを開ける。目に入ったのは誰もいない、イスと机だけの部屋だった。
ちなみに、死ぬほど恥ずかしい。誰もいないのに、何を恐れてたんだ俺は!
ゴッという効果音と共に、今閉じたはずのドアが勢い良く開いた。
「こんにちは!今日からホワイトドラゴン所属になります!宮岡 沙彩です!って大丈夫ですか!?」
後頭部のたんこぶは君の所為だよ。と思いつつ手を借りて起き上がる。
茶色の髪を一つにまとめ、大丈夫そうな俺を見てニッ笑う姿は子供のような印象を抱く。
「ありがとう。俺は四条。」
「知ってますよ。イケメン転校生ですよね。それに、あの四天王に選ばれた大峰さんの彼氏です。」
ん?四天王?
「あの~。四天王とは?」
「何だ。そんな事もしらねぇのかよ。イケメン転校生とやらはやっぱり顔だけかよ。」
不意に後ろから知らない声が聞こえた。
「そんな事を言ってはだめですよ。小夏さん。四条さんだって実力があったからここの所属になったんですよ。」
どうやらその声の主は、小夏さんと言うらしい。口調の割に随分かわいらしい名前だ。
「黒龍に選ばれた奴の別称だよ。この学年からは大峰だけだ。今年は黒龍が四人だから四天王って言うんだ。」
「お、揃ってるな。俺がこのギルド担任の栗野だ。是非とも将軍と呼んでくれ。……嘘だ。」
栗野先生の所為で、この部屋だけ時間が止まったのではないだろうかと錯覚させるほど静かになった。ジョークのセンスが無いにも程がある。
「ここからは真面目な話だ。このギルドにお前らの先輩はいない。だからこのギルドがどんなに辛いものかは分からないだろう。自分で体感するまでは。」
一応このお話は怜理が主人公です。5話ぐらいスルーされてますが。