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彼の正体

展開が早いや。ここはどこの国なんだろな?

 振り返ると、屍と化した殺し屋たちが転がっていた。

 ついいつもの癖で狩ってしまったが悠雷が、わかってくれて良かった。下手に声など出されては気付かれてしまっていただろう。しかし妙なのだ。悠雷は武器などを持っていない。どうやって殺したというのか。

「怜理。帰ろう。帰宅命令も出ている。」

 悠雷は後ろをむいて帰ろうとするが、私がそれを阻止する。

「待って。私に何か隠している事があるんじゃないか?」

 振り返った悠雷はとても優しい笑みを浮かべた。

「それは怜理も同じでしょ?普通の高校生ならこんなところで人殺しなんかしないし。それに今日付き合ったばかりで何でも知っていたら、気持ち悪いでしょ?」

 悠雷の言う通りだ。私にも秘密がある。トップシークレットっと言うほどでもないが、誰にも言った事はない。

 悠雷にも秘密があるとするなら、間違いなくこの屍たちに関係のある事だろう。

 死んだのは六人。大きな外傷があるものは、二人。一人は私に胴体を真っ二つにされたもの。もう一人は私を襲おうとした男だ。背中をザックリとやられている。問題はその傷を負わせたのが悠雷だという事だ。

 悠雷は見たところ、武器や防具も何もない。どうやってこの男の背中を裂く事が出来ようか?

「怜理?」

 悠雷の言った事は正しい。でも…

「………ぃょ。」

「え?」

「知りたいよ!悠雷の事なら何でもいいよ。好きな人の事知りたいのってそんなに迷惑かな…。」

 悠雷がそっと私の手を握った。顔を見ると、真剣な眼差しだった。そんな顔に慣れていない私は少し驚いた。

「わかった。よく聞いて。」

 彼の唇が耳に触れそうになるくらい、顔を寄せてきた。

 耳元でささやかれたその言葉に、私は驚愕する事しか出来なかった。


「“実験番号1945”これが俺の本当の名だ。」

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