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今日お姫様始めました  作者: りょう
第1章 勇者になりたかった
6/50

第6話 姫(♂)が女性に恋をした

第6話 姫(♂)が女性に恋をした


1

まさか自分が恋に落ちてしまうとは思ってもいなかった。しかも一目惚れだなんて…。

「これよりウマンディア王国、第15代姫の継承式を行なう」

ミッシェルって、結構可愛い名前だよな。

「ではこの国の新たな姫であるユウ姫、前へ」

まあ、一つだけ問題がある。

俺はこの国ではあくまで姫であり、女性という扱いになる。このまま告白すると、色々問題がある。

「こ、こんにちわ。今日から正式にこの国の姫になりました、ユウです。この国を守っていけるよう、精一杯頑張りますので、国民の皆様、どうか力を貸してください」

まあそんな事を考えながら、適当に挨拶を済ませる。全く、何でこんな所で恥ずかしい挨拶をしなきゃいけないんだ。こっちはさっきからあの子の事が気になってんだよ。

「では続いて…」

そんな俺を一切気にせず、式は続く。

ああ、ここが普通の国だったらよかったよ…。

2

無駄に長かった継承式を終えた後、城内の食堂へ行くと偶然ミッシェルに会った。

「あ、どうも。先程は失礼いたしました」

と、俺が挨拶をすると、

「いえいえ、ま、私こそ前方不注意だったからぶつかったんです。そ、それに、あ、あなたが新しい姫だとは思っていなかったので、お、驚きました。私こそ失礼じゃありませんでしたか?」

と、慌てた様子で返してきた。俺が姫だと知っているという事は、継承式見ててくれたんだ。でも、俺的には嬉しくはない。何故なら中身は男でも、周りから見たら完全に女性だ。あれは本当の姿ではない。

「あ、あのミッシェルさんはこれからご夕飯ですか?」

「はい」

「もし良かったら私と食事を…」

「その話ちょっと待ったぁ」

折角だから一緒に食事を食べようとしたその時、誰かが俺達の話を遮った。声がした方向を見ると、オレンジ色のツインテールの髪型をした女の子が立っていた。そして彼女は高らかに宣言した。

「ミッシェルお姉様は私と一緒に食べるんです!」

「へ?」

お、お姉様ぁぁ?

「ミ、ミリナいきなり何を言い出すの?」

「だってミッシェルお姉様は私だけのものなんですから、そこのユウだかユウ姫だか知らない、下衆な人と食事なんか許しません!」

あぁ、これは危ない匂いがしてきたぞ。こ、ここはひとまず退散したほうが…。

「あ、ユウさん、どこへ行かれるんですか?」

「ち、ちょっと急用が…」

そう言って、俺はそそくさと退散した。その後二人がどうなったかは知らないが、一つハッキリ分かったことがある。

俺の恋路は色々越えなければならない壁がある。

最悪だ…。

続く

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