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今日お姫様始めました  作者: りょう
第1章 勇者になりたかった
4/50

第4話 国を守るために姫になる(強制)

第4話 国を守るために姫になる(強制)


1

「これはどういう事だよカステラ」

「ステラです! いい加減覚えてください。それでどういう事とは?」

戦いから帰還し、部屋に戻った俺は、この怒りをカステラにぶつけた。

「今日の戦いに関してだよ」

俺は一から先程の戦いの事を話した。

「ああ、それは仕方がない話ですよ」

「仕方がないって?」

「姫を守っていた人達をみて、ある事に気がつきませんでしたか?」

「俺を守っていた部隊?」

確か女が多かったような…。

「女性の方が多かったですよね?」

「ああ。多いというかほぼ全員」

あ、もしかして…。

「気がつきましたね。姫様を守っていた部隊のほぼ全員が女性の方、つまり戦おうにも力がないんですよ。第二部隊はある程度男性の方がいるので、城門を守っていたんですよ」

「なるほど、そういう事か」

と、思わず納得しそうになったが、ある事に気がつく。

「なあカステラ」

「はい?」

「今日一日、ここに居て思ったんだが、この城、いやこの国って女が多くないか?」

「やっぱり分かりましたか? この国ウマンディア王国は国民の三分の二が女性なんですよ」

「さ、三分の二?」

ほぼ全員じゃねえか。

「じゃあもしかして、男の俺を呼び出した本当の理由って」

「そうです。女性だらけでろくに戦に勝てないこの国を、男性の方であるあなたに救ってほしいんです。姫として」

女だらけの国か…。そりゃあ姫が死ぬ確立高いよな。でもそんな国でも守る価値はあるのかもしれない。何もしないよりは、何かをした方がマシだ。そう、あの時みたいな後悔は絶対にしたくない。

「最後だけどうも納得できないが、大体の事情は分かった。この国を俺に守ってほしいんだろ?」

「大まかに言えばそんな感じです」

「だったらやってやろうじゃねえか。姫でも何でも構わない。俺はこの国を守ってみせる」

「姫…」

半分ヤケクソにも聞こえるが、もういいんだ。どうせ元に戻れないなら、この国で守るべきものを守ってやろうじゃねえか。

「そういえば姫、さっきは聞けなかったんですが、姫の名前って何なんですか?」

「ああ、そうだったな。俺は桜井祐樹。ゆうきでいい」

「じゃあユウ姫と呼ばさせていただきます」

「何でそうなるんだよ」

「姫ですから」

「いや、姫になるとまでは言ってないからな」

「えー、言ってたじゃないですか。姫でも何でも構わないって」

「あ…」

「だからあなたは正式にこの国の姫になってもらいます」

あ、あぁ…、やってしまった…。

「よろしくお願いしますね、姫」

「やっぱりやらなきゃよかったぁぁぁ」

と言うわけで俺は、この国の姫として国を救う事になりました。

せめて、姫っていうのはやめられないかな。

続く

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