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今日お姫様始めました  作者: りょう
第1章 勇者になりたかった
3/50

第3話 姫様の初陣

第3話 姫様の初陣


1

馬鹿な国の馬鹿な戦に姫として参加する事になった俺は、全軍の先頭に立っていた。全身ごっつい鎧をまとって…。

(何でこんな目に…)

一通り辺りを見回す。そしてある事に気づく。

(って、兵士少なっ!)

これから戦いだってのに、何だこの人数の少なさは!しかもほとんどが女性。何だこのどこぞの大奥みたいな国は。

「姫様、全軍出撃準備できました」

と色々な所にツッコミを入れていると、王国防衛軍(?)の隊長であるエルーシャ(先程カステラから紹介があった)がこちらにやって来た。

「どうしたの? エルーシャ」

はい、ここで皆はある事に気づいただろう。俺の口調が変なのを。どうやら姫が男である(勿論俺は承諾してないが)事は、ほんの一部しか知らないらしい。だから男声で喋るわけにはいかないので、そう聞こえるように口調を変えてみた。その結果、

「随分変な声をしていますね」

泣きたい。

「と、とりあえずエルーシャ。今現在の状況を教えていただけないでしょうか」

泣きたい衝動を抑えながら、現在の状況をエルーシャに尋ねる。

「現在ラビダス軍は城門まえを占拠しており、第二部隊が迎撃に向かっております」

いきなり大ピンチじゃねえか。よくこんなんで国を守れたな。てか第二部隊って事は…。

「え、エルーシャ、一つ聞いていいかしら?」

「はい、何でしょうか?」

「私達は今どこをどこを守ってるんでしょうか?」

「何を言っているんですか? ここは城の裏門ですよ?」

「裏門ですか…」

「そうです。私達は敵の増援部隊が来ないように、ここで見張っているんですよ」

「なるほど…」

こいつらすごく馬鹿だろ? 何でメインの部隊が裏門で敵の援軍を迎え撃つようにしてるんだ? それに普通援軍ってここから来る事はないだろう。つまり、俺達は戦いの最中なのに、来るはずもない敵の援軍を待っていると。そりゃあ人数も少ないわけだ。

「と、とりあえずエルーシャ。私達も城門に行きましょう」

「何を言っているんですか! あちらへ行ったら、姫様が危ないですよ」

じゃあ、何で戦いに参加してるんだよ姫。そんなに危ないなら普通に部屋に居させろ。それが一番安全だろ。

「伝令、伝令」

とにかく安全第一という事で、何もせずに待っていると、一人の兵士がエルーシャの元にやって来た。伝令とかいつの時代だよ。

「第二部隊がラビダス軍を殲滅。援軍も来ないようなので、我々の勝利が決まりました」

第二部隊強すぎだろ!殲滅ってつまり…。

(何もせずに戦い終わりやがった)

という訳で、俺の初陣はただの城の警備で終わりましたとさ。

駄目だこの国…。

続く

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