表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日お姫様始めました  作者: りょう
第1章 勇者になりたかった
2/50

第2話 もう嫌だこの国

第2話 もう嫌だこの国


1

ステラというメイドに案内されて、俺は一応自室へと向かった。その間にも散々ステラにドレスを着る事を勧められたが、俺はとにかく断り続けた。男の俺がドレスを着るなんて嫌に決まっている。てか、一生着ない。

で、ステラに案内された部屋はというと、

「完全に女の子の部屋じゃねえか」

「そんなの当たり前じゃないですか姫」

「姫って呼ぶな!」

最悪だ。とにかく最悪だ。俺の人生完全に終わった。

「まあまあ、怒らないでくださいよ」

「いや、怒るに決まってんだろう」

理由もなくこの世界に呼び出されて、いきなり姫呼ばわりされたら怒るだろ。

どうすればここから脱出できるんだ。

「よし決めた、俺死ねばいいんだ」

丁度近くに扉がある。ここから飛び出せば…。

「姫! ここは…」

ステラが止める声が聞こえるが、もういいんだ。姫として暮らすぐらいなら…。さあ、飛び出そうじゃないか、あの大空へ!

「ここは一階ですよ!」

「ぐほっ!」

地面はすぐそこだった…。

2

「痛ぅっ…」

「もう無茶しないでくださいよ姫」

空へ飛び出す事に失敗した俺は、顔面を思いっきり打ち、口の中を切るわ、足を怪我するわでもう最悪な事だらけだ。

「服が汚れちゃいましまね。これでようやく….」

「お前はしつこいよ!」

本当にしつこい。

「なあカステラ、一つ聞いていいか?」

「私はステラです。名前くらい覚えてくださいよ姫」

「覚えてほしいなら俺を姫と呼ぶな」

「じゃあ何て呼べばいいんですか!」

いやそこでキレるなよ。

「それはお前、普通に名前で呼べばいいだろ?」

「名前? 姫には名前があるんですか?」

「当たり前だ!」

こいつ俺の名前自体を姫だと思ってやがる。仕方がない、教えてやるか。

「いいかカステラ、俺の名前は…」

自分の名前を名乗ろうとした時、突然城の外から爆発音が聞こえた。

「ば、爆発?」

「姫大変です。敵国の襲撃です。直ちに出撃準備をしてください」

「分かった…って、今なんて?」

「ですから出撃準備です。これから姫には戦線に立って、戦ってもらいます」

「は?」

出撃?

「何で姫が戦いに出るんだよ!」

「それがこの国の決まりなんですよ」

「どんな決まりだよ!」

あっ、今何となく俺がこの世界に呼ばれた意味を理解した。まさかこの国の姫って、毎回戦いに出されて死んでばかりだから、男の俺を呼んで、姫になってもらったとか…。まさかな。

「なあカステラ」

「さっきスルーしかけたんですけど、その呼び名やめてくれませんか?」

「だが断る」

「ひぇぇ、姫酷すぎです」

俺を姫扱いするお前らの方が、十分酷い気がするが、まあそれはいい。それより、

「俺が国に呼ばれた理由ってさ…」

先程考えた事をカステラに話した。その答えは…。

「大正解~、流石姫です」

「おい!」

何だその不順な動機は。それって明らかにお前らが悪いじゃん。

どうかしてやがる、この国。

続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ