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序章
私についてご本が書かれるべきね、絶対そうよ!
(『不思議の国のアリス』第四章より)
黄金の夏の午下がり、子供のための物語がつくられました。
生まれてから死ぬまでの、子供のための物語です。
それは美しくもあり、恐ろしくもあり、おかしくもありました。
あなたは決して忘れないでくださいね。
思い出と夢から覚めても、編んだ花環が萎れても。
交わした約束が朽ちることはないのですから。
「一つだけ、約束してくれる?」
「もちろんよ。あなたとの約束なら私も欲しい」
「じゃあ、それじゃあ――」