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恋の予感
これは恋だと。
いつもその時は思う。
取手が付いているのかよ?
それだけが知りたい。
杏のライブを見てきた。オレは酸欠になった。
杏はたまに演奏もせずに照明を吊るす天井のパイプに掴まって、汗だくのまま
足をプラプラとさせていた。
片方だけが裸足だった。
足の指の爪は淡いピンクに塗られていた。
薬品くせえライブハウスは地下室で、
それをオレは見た。
2:38AMに帰宅して、オレは杏の書いている小説を読んだ。
杏は、すぐに夜空をふわりとしてみたり、
流れ星にのってみせたりする。
とても気になる。
ライブの会場の、汚ねえ椅子の下には靴下が片方だけ落ちていて。絶対に杏の靴下なんだろう。
なんかイラッとした。
わたあめみたいな靴下。らしい。
杏の小説によると。
確かめなきゃいけないのは、
上空高くをかなりの速度で走る流れ星。
振り落とされてしまわないか。
振り落とされないように、
何かに掴まって、安全を確保しているのか。
髪をなびかせながら。
杏、オレはあんたを気にしている。なあ。
流れ星に、
取手が付いているのかよ?




