この場合どう反応するべきでしょうか?
新婚初夜を迎えたその時夫となった若き大公が私に告げました。
「俺には相思相愛の女性が居る」
これが噂に聞く「白い結婚」宣言なのでしょうか?そう問いかけると
「いや、夫婦の営みを拒否するつもりはない」
との答えが返ってくる。なんとも虫のいい話ですね。
「果たしてそうだろうか?お前としてもお前の実家もお前が大公家の後継ぎの母親にならなければ都合が悪いのではないか?お前がどうしても俺のような男と子作りが嫌だというのなら親戚筋から養子を取ってもいいが」
確かに王命であり政略結婚として侯爵家から嫁いだ私が跡継ぎを産まなければ、風体も悪いし各方面から何かと責め立てられる。
しかし相思相愛の相手がいるのであれば、その助成との間に生まれた子供を跡継ぎにしたがるものではないのだろうか。
「彼女は平民だ。今更貴族としての振る舞いを強いたら不幸になる。したがって彼女と正式に結婚することも屋敷に住まわせることも無い。生まれてくる子供を跡継ぎにしようと思えば、幼いうちに貴族としての教育をしなければならない。そのために母娘を引き離すようなことは出来ない」
確かに結婚を考えるような年齢の平民に貴族の振る舞いは無理ですね。子供を母親と引き離すのも母親から子供を取り上げるのも残酷な話なのもわかります。それなら妾として囲うなり名目上使用人として迎えるなりやりようはありそうです。
「そんなことをすれば権力争いに巻き込みかねないじゃないか」
確かに抱き込んで利用しようとするものや、逆に平民だからと排除しようとするものがいてもおかしくないですね。なにしろ大公家ともなれば、王家に何かあれば即位、という可能性もあります。
「しっ。間違っても他人の前では口にするなよ。揚げ足を取らっれて、不敬の罪に問われかねない」
いけませんいけません。魑魅魍魎の跋扈する貴族社会は、足の引っ張り合いです
「そんな世界に彼女や彼女との間に生まれてくる子供を巻き込みたくはない」
私や私の子供は巻き込まれて良いのでしょうか?
「・・・・・・・」
黙秘しますか・・・・
貴男が愛人を囲うというのなら私だって男を囲って文句はあり言えませんわよね。
「その場合、後継ぎが生まれてからにしてくれ。あるいは、俺との間に子供は作らず養子を取るときっちり決めてからに。どちらにしてもよその男の子供を跡継ぎにするわけには行かないから、避妊はきっちりしてくれ。腕の良い薬師に心当たりがあるから副作用の少ない避妊薬を用意する」
一応筋は通っているような気はしますが、話の始まりが新婚早々う他所に女がいる宣言、とはいえ愛人を囲うのが普通にある貴族社会
この場合、同反応するのが正解なのでしょう?