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PURGEー66 木花小隊!!

 次警隊、六番隊基地内の稽古場の一室。ここでは県道の道着を着込んだ二人の人物が面と向かって正座から立ち上がった。

 二人は竹刀を構えて気を溜めると、間に立っていた審判から『初め!』の合図が鳴り響いた。


パンッ!!……


 勝負は一瞬。一撃にして片方の人物はもう片方の面を素早く叩き勝利を収めた。


「一本!!」


 互いに再び面と向かい礼をする二人。試合が終わって気が緩んだその場では、負けた側の男性が面を取って話しかけた。


「いや~参りました。これで全試合五十連勝、こんな成績を叩きだした人はこの基地ではいませんよ。流石は秀才『木花(このはな) 音尾(ねお)』小隊長だ」


 名を呼ばれた勝者『木花(このはな) 音尾(ねお)』は面を脱いだ。ツンとしたどこか冷たい目つきに長い髪をローポニーテールに纏めた髪型をした美少女だ。


「お褒めいただき嬉しいです」


 同時刻、基地内闘技場の一つにて決闘が行われ、片方の隊員が倒れて気絶していた。


「よっしゃぁ! また勝ちぃ!! 今日も全戦全勝絶好調!!」

「勝者! 『シャウ シャッキー』隊員!!」


 決闘の勝利にテンション我毛てガッツポーズを決める一人の隊員『シャウ シャッキー』。

 少し天然パーマのかかったオレンジ色の短髪の髪にシャツに短パンという少年のような服装を着込みながらも、その服では抑えきれていない強大なバストが存在感を放っている。


 この二人は同じ小隊の隊員であり、黒葉達と同様にシェアハウスに同居する仲だ。そしてこの小隊にはもう一人所属する隊員がいる。それは……


「ただいま帰りました! レジア、休暇から戻ってまいりましたですわ!!」


 レジアの声が聞こえてきたことで、家にいた二人はすぐに反応しシャウは素早く玄関にまで駆け寄った。


「おかえりなさいレジアちゃん!! 休暇は楽しかった!? アタシずっと寂しかった! 今度休暇の時は一緒に遊びに行きましょう!!」


 着たく早々高いテンションで手を握って来るシャウに若干苦笑いを浮かべてしまうレジア。二人での会話が丁度途切れたタイミングに小隊長である音尾が遅れて玄関にやって来た。


「無事に帰ってきてよかった……遊びに行ったテーマパークで事件があったって聞いたのだけど、大丈夫?」

「はい。ちょっと怪我しちゃいましたがすぐに……」

「怪我!? レジアちゃん怪我しちゃったの!!? どこ!? どこ怪我しちゃったの!!? すぐにアタシが手当てするから!!」

「だ、大丈夫ですわ。その場にいた隊員さんに手当てしてもらったので跡には残りませんでしたので」


 シャウの熱い心配にレジアが額に一筋汗を流しつつ素直に答え、彼女の勢いを抑えた。


「隊員。そういえばその場にもう一人次警隊の隊員が事件解決に尽力したと聞いたけど……」

「そうそう! 音尾さん、私その隊員さんの事がとても気に入ってしまいまして……ちょっと耳に入れておきたいのですが……」


 レジアが二人に話した内容。これがここからの騒動のきっかけになった。



_______________________



 所は移り森本小隊のシェアハウス。連休を終えたリドリアが丁度帰ってきているときだった。


「ただいま~!!」

「おかえりなさい、リドリアさん!」

「皆揃ってるよ」


 家の奥から聞こえてきたレニと信乃の声に反応して玄関から奥に入って行くと、リビングには信乃とレニ、そして二人の目線の先のソファに座ってくたびれている黒葉がいた。


「黒葉? なんだかすごく疲れているようだけど……」


 本人からの問いかけはないものの、代わりに信乃が答えてくれた。


「連休中だったのに二件も事件に巻き込まれたらしくって……解決したときにはもう休暇も終わっちゃったようなの……」

「え? それじゃあ結局黒葉は休みなしって事!? そりゃあこんな顔にもなるわね……」


 リドリアがつい同情的な表情を黒葉に向けてしまうと、もう一言何か彼に言おうとしたタイミングに家のインターホンの音が鳴り響いて来た。


「インターホン? 帰ってきてすぐに何の用かしら?」


 リドリアが部屋の壁に取り付けられているモニターを確認すると、そこに映っている人物の姿を見た途端に美人が台無しになるようなレベルの表情の変貌を見せた。


「り、リドリアさん?」

「どうしたの? 変顔みたいな顔になっちゃってるけど……」


 そのままリドリアは通話を繋げることもなくモニターの画面を消して戻って来た。


「いや、ただのセールスマンよ。放っておいたら多分どっか行くでしょ」


 などと適当な事を言って誤魔化そうとしていたリドリアだったが、間髪入れずにインターホンは再び鳴り響き、リドリアはこれまた即座に画面を消した。


「リドリアさん?」

「いいのいいの。すぐに退散して」


 リドリアが話を押している最中に三度、それも今度は連続で五回も鳴り響いて来た。流石にこうなると誤魔化しきれない。

 リドリアは眉間にしわを寄せた顔つきで嫌そうに玄関に歩いて行き扉を開いた。


「フフッ、やっぱり居留守でありましたか。そんなに私と面と向かうのが怖かったのですかリドリア」

「その声」


 聞こえてきた声に遅れて来た黒葉は反応する。森本小隊の家に現れたのは、休日に黒葉が偶然出会い共に遊んだレジアだった。


「この前ぶりですわ黒葉君。貴方を迎えに来ましたの」

「俺を迎えに? それってどういう……」


 困惑する黒葉にレジアは堂々とした態度で告げた。


「春山黒葉。貴方は私達『木花小隊』に移動になりましたわ!」

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