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PURGEー63 テーマパーク!!

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 先日クオーツから渡されたチケット。黒葉は残っていた休日にこれを使ってしまおうと場所を調べて一人やって来ていた。


「最新のテーマパークって聞いたけど、ここが……」


 黒葉の目の前に広がるのは入り口からして既にテーマパークの華々しさを感じ取れる豪華な外観。周りに見えるジェットコースターや観覧車のような遊園地として分かりやすいものも多い中、見慣れない建造物の外観もたくさん見える。


「あれ、危ないないかな?」


 とにもかくにもまずは入らなければ始まらないと黒葉が早速受付に足を運んでチケットを見せた。するとスタッフはふと不思議そうな表情を浮かべて問いかけてきた。


「申し訳ありませんお客様。こちらはペアチケットでして、お一人でのご使用は出来ないのですが……」

「え? ペアチケット!?」


 黒葉は自分のチケットを改めて確認すると、確かに小さい文字でペア専用と書かれてある。黒葉は一度チケットを引いて受付から離れる。

 自分の確認ミスもあるが、かといって帰省しているリドリア達も誘えない。黒葉は悩んでいても何にもならないと通信機を取り出した。


「仕方ない。今から誰か誘える人いないかな?」


 知り合いの伝手をたどろうとする黒葉。そんな彼の耳にさっきのスタッフと別の客との会話が聞こえてきた。


「申し訳ありません。そちらのチケットは昨日までの限定のものでして……」

「エッ!? そんな……仕事忙しくてやっとこれたのに。困りましたわね……」


 凹んだ様子で受付から離れていく青い髪をパッと見てドリルの様に両肩に下ろすようにに纏め、動きやすそうながらも可愛さもしっかり取り入れたガーリーファッションを着込んだ少女。一目見ても美人と分かる女性だ。

 黒葉は彼女の様子を見て自分のチケットに目を向けた。


「……」


 何の関わりもない少女。下手に声をかければ変質者扱いされかねない。一瞬頭にそれが浮かんだ黒葉だったが、それ以上にその少女の事を放っておけない精神が勝った。

 ある意味これまで彼が関わって来た人のお人好しが移ったのかもしれない。


「あの!!」


 というわけで、その少女とペアチケットを使ってテーマパークに入った黒葉。入場してすぐに少女は頭を下げて感謝の言葉を伝えてきた。


「本当にありがとうございます! わざわざチケット一緒に使っていただいて」

「ああいや、俺もペア限定って知らなくて困っていたので……お相子ですよ! それじゃあ入ってしまえば後は自由なので、自分はこれで……」


 自分の異能力が暴発してトラブルにならないようにすぐに身を引こうとする黒葉。ところがその少女は突然黒葉の手を掴んで止めてきた。


「お待ちください!」

「ちょっ!!」


 黒葉はすぐに手を放そうとするも、少女は両手でしっかり握っていてそれを防いできた。


「見ず知らずの人に助けて貰って恩返しの一つも出来ないだなんて、そんなことできませんわ!!」

「いやいいよ。それより手を放して!」

「放したら逃げようとするじゃないですか! いいからここからは私なりにお助けするので!」

「いや、そういう事じゃなくて! これ以上俺に触れていたら……」


 黒葉が忠告をしている間に、少女が着ているガーリーファッションの布地をその身体から外れさせ、地面に落としてその素肌を露出させてしまった。

 全体的にスレンダーで控えめなバストと腰回りにはバラの装飾が付いたかなり豪華でセクシーな下着を纏っている。


「え?……ナッ!!……」


 少女が自分の身に起こった事態に気が付いて顔を真っ赤にし、こんな数秒後には叫び散らしそうになるも、黒葉はそれを未然に防ぐために少女の身体と服を拾って一目散に人目のない所まで駆け出していった。


 幸い誰にも見られることなく人目のない空間にまで当直した黒葉。少女を下ろしてすぐに視線を逸らしつつ彼女の衣服を手渡した。


「ごめんなさい! とりあえず服は返すから……訳わかんないと思うけど、これが俺の異能力なんだ……」


 戸津突に服を脱がされ人目のない空間に連れてこられた。普通に考えたらこの時点で変質者に捕まったと捉えられても無理はない。

 黒葉はこうなってしまった以上何かしら責任を取らなければならないと覚悟を決め追うとしたが、少女は受け取った衣服を再び着ながら黒葉に口を開いた。


「そう……だから逃げようとした……大丈夫ですわ。誰が見てたって訳でもないですし。去ろうとしたのを止めたのは私ですので……」


 やはりどこか困惑しているものも、一歩的に警戒せずに声をかけて呉れた少女の対応に黒葉は優しいものを感じていた。


「ありがとう……」

「もう大丈夫です。服持っといてくれてありがとうございます」


 許可をもらった黒葉が目線を前に向けると、少女は気持ちを落ちつかせている中で今度こそ挨拶をして去ろうとした。


「さっきの通り、俺と一緒にいるとまたいつアクシデントが起こって迷惑がかかるから。それじゃあ」

「だから待ってよ!!」


 少女からの声掛けに黒葉は足を止めた。


「さっきの事なら迷惑に思ってないですから。私が一度お礼をするって決めたら、その気持ちを変えたくないのです! せっかくのテーマパーク、一緒に楽しみませんか?」


 少女の優しい台詞に黒葉は涙腺が緩くなり、少女に向けた顔からは涙が零れ落ちようとしていた。


「いいんですか!? あんなことになって!!」

「ちょ! 何その顔! 泣きそうになってませんか!!? いいから落ち着いて!!」


 信乃意外に初手で異能力を受け入れられなかった黒葉にとって、このような配慮のある声掛けはやはり救われる思いがあった。

 溢れかけた涙を止めて表情を戻した黒葉は、まずは挨拶をしなければと自分から名乗った。


「ありがとう! 俺、春山黒葉。今日はよろしく!」


 黒葉が名乗ったのをみて少女は少し嬉しそうにしながら自らも名乗った。


「『レジア』ですわ。今日はよろしく!」


 という訳で、黒葉はメルデと一緒にテーマパークを回ることになった。

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