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神祖の妖精王〜妖精騎士アイギスさんの冒険の日々〜  作者: フィリクス
第2章 暗躍錯綜のフェアリーテイルズ
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第八話 妖精騎士アイギスさんと月花草と祖森妖精の森祭司(6)



翌日――

月花草を採って戻ってきたわたし、アイギスは早速、錬金術ギルドに呼ばれ触媒の調合の為に借りだされていた。


「もう、昨日の今日で錬成とか早すぎ。てか仕上げ以外にも手伝わされるとか」

「急ぎじゃ。容態急変したらしくての。もう今日の夜には解呪の儀式を行うんじゃと」


と、わたしが錬金術ギルド長のばあちゃんと並んで材料を調合する。わたし人の名前や地名覚えるの苦手なんだけど見たものは一度で覚えれるの。

所謂いわゆる、絶対記憶ってやつ。



だから調合とか結構見よう見真似でできるの。

もち大雑把にな。


「おんしはいっつも目分量じゃの。正確に測らんか」

「こいつは適当テキトーで良いってばあちゃん言ったじゃん」

「"適当"じゃ! そこまで正確でなくても良いが、必要量以上は欲しくて以下にはするな言う意味じゃ!」


「多分、足りてるっしょ」

と、秤に掛けたらピッタリ。

「どうよ?」

「ドヤ顔やめい。こっちが安心できんから測れ言うとるんじゃ。まったく」


と、仲良くばあちゃんで2人……ではなく人手足りないのでシャルさんも入れて3人作業。「ばあちゃん人望なくて誰も手伝いに来ないのよ」



「おい。錬成の秘事じゃから誰も呼ぶ訳いかん言うたじゃろが」

「おっと心の声が漏れちまった。てか、勿体ぶらずに技術継承させなよ。その為のギルドだろ」

「かなり危険な錬成での。なんじゃ、爆発するとかでないんじゃがちょっと作り方変えたら麻薬ができちまったりヤバい儀式に使えたりの」


「うわ。マジか……わたし信用あるんだねぇ」

「まぁおんしが錬金術の錬成に興味もつとも思えんからな。それに…………まぁ良いか」

「なに……急に言い淀んで」

「おんしに教えても悪用せんじゃろ。まぁそこの嬢ちゃんならものできそうじゃが」



と、ばあちゃんが錬成釜の茹でった中身を、魔力の籠もったかき混ぜ棒で混ぜながら、シャルさんに視線を向ける。

シャルさんはあらかじめ用意され、下ごしらえされてた素材に魔力を込めたり、不要な魔力を抜いたりとテキパキ働いていた。


「あの嬢ちゃんどっから拾って来たんじゃ。素材の扱い、わたしゃより上手いぞ」

森司祭ドルイドって言ったじゃん。なんだっけドゥなんとかの」

「ドゥルイデス族の森祭司ハイ・ドルイドか!」

「なんでわたしのあやふやな答えで解るんだろうね」

「なに言うとる錬金術の一部はドゥルイデス族譲りじゃぞ。そんなヒント出されたらすぐにピンと来るわ」



と、ばあちゃんと仲良く喋りながら帝国の皇女を救う為の触媒作り。シャルさんは指示された仕事をせっせとこなし。結局、触媒を作り終えたのは儀式の時間の30分前だった。


まぁこのアイギスさんが仕上げの付与魔法で魔力込めまくって、最高品質を狙って5回失敗したからだね。


転移魔法で送れるから隣国でも余裕で間に合うし、ばあちゃんあんなに怒鳴らなくてもいいじゃん。


もうこれ以上ないって触媒作れたんだし。〈鑑定〉の魔法とかあるから品質解るんだよね。この世界。あんだけ爆発するくらいのギリギリの魔力込めたんだから儀式が失敗する方が難しいって。


そしてシャルさんとわたしが家に帰る頃にはとっくに夜になっていた。





「まったく遅くなっちゃったと」

と、帰って来て早々わたしはボヤき、愛しのシルフィちゃんにただいましてから、ず、風呂場に直行する。


錬金術ギルドはもう匂いやら魔力の残滓やらこびり付いて〈清浄クリーン〉の概念魔法で衣服や身体を綺麗にしても、清潔になった感じしないんだよね。



そこでわたしはせっせとお風呂洗って、魔法で水溜めて湯加減調整用に召喚した炎の精霊ファイアーエレメンタルを風呂場に突っ込んでお風呂の支度する。

わたしがやると水から熱源まで要らないので経済的なの。


そして風呂場から居間に戻るとシャルさんがオロオロしてた。


「あ、あのわたしは……」

「そうだね……ご飯はもう出来てるけど先にお風呂入ろっか。――シルフィちゃんアル君ってお風呂入ったー?」

「いえ、まだでーす。アイギスさん、アル君洗ってくれます?」


「オッケー」

「アルくーんアイギスお姉さんが一緒にお風呂入ってくれますよー。んしょ、と」

と、台所で食事の盛り付けを初めるシルフィちゃん。もう完全にお嫁さん見たいになってるよ。この家庭の雰囲気こそわたしが求めたものだ。



「そう言えばセレスティナさんは戻ってない?」

「あ、まだ神殿から戻ってないんですけど」

「あー結構前に、連絡あったけど、遅くなるかも知れないって言ってた。なんか急に呼び出しで儀式魔法しなきゃならなくなったって。戻らなければ、ご飯先に食べといてって」

「そうなんですか。じゃあセレスティナさんの分、置いときますね」


シャルさん居るから家族みんなで。

と思ってたけど仕方ないね。そしてわたしは3歳児の男の子のアル君を捕まえて風呂場前の洗濯場に誘導。



シャルさんのことは昨日の昼にちょっと挨拶して事情話した。ちゃんとシルフィちゃんの了解は得てるよ。


その時の、また……と言う顔忘れられないけど。

まだセレスティナさん入れて2回目じゃん。


……まあ今回はそのセレスティナさんも居たから事情説明しやすかったけど。もはやこのアイギス、あの時のてつは踏まぬ。


女の子好きな女の子が女の子連れて来たら疑われて当然だからねー。


と、言いつつわたしは困惑するシャルさんも風呂場前の洗濯場に押し込む。

「お風呂って入った経験ないって言ってたよね?」

「は、はい。お湯に浸かったことはありますが……」

「オーケー風呂場にはルールがある。わたしが手取り足取り教えて上げよう」



と、アル君がもう脱いでたので、わたしは衣服を脱ぎ始める。予備の服は異世界あるあるの空間収納に入れてあるし、シャルさんならわたしの服なんとか着れるでしょ。


「まず裸になる。これがルールその一」


惜しげもなくわたしは裸体を晒した。もうアル君とは一緒に入ってるし。

……さすがに見た目が完全な子どものシャルさんにいくら女の子好きのわたしでも欲情しないよ。てか、わたしの精神が子ども過ぎるのか性欲は覚えたことないんだけど。



ただ、シャルさんが恥ずかしがっていた。

まあ一人で生きてきたって言ってたしね。

てか、この儚げ、かつ神秘的な子が恥ずかしがると可愛いなおい。

わたしの妖精としての悪戯いたずら心が刺激されまうぜ。


「じゃ、脱ぎ脱ぎしましょうねぇ〜」

と、シャルさんを脱がして行く。


「え、あ。待ってください」


アイギス待たぬ。風呂場の鉄の掟を守るため、北欧系エルフと言えど手に掛ける。まずはその白ローブを脱がし、次にまず、肌着。


おっとこれはヤバいぜ。

形容しちゃうと良い子のみんなに悪影響あるから言えないが、顔赤くしたシャルさん見てると何かに芽生えそうだ。


そしてわたしは容赦なく下着も……


「………………………?」

「あっ! そこまでは」


一瞬わたしは固まったが。己を律してそのままシャルさんを真っ裸にした。

そして風呂場に連れて行きお風呂の説明。


「ルールその二。身体を洗ってから湯船に浸かる」

「は、はい」


と俯くシャルさん可愛いいなぁ。

などと思う余裕はわたしにはなかった。自らの心を急遽、金槌で打ち据える。急造した鋼の精神でわたしは己を律した。

3歳児のアル君が自分の身体を洗えるようになってるので、その様子を説明。髪の毛は洗ってあげるけどね。さすがにシャルさんをわたしが洗うのは控えた。



但し容赦なくアル君と3人でお風呂入ったが。

うちのバスタブ大きいから子どもだったら3人くらい入れるの。

一人暮らしの時は一人で金持ちのお嬢様よろしくバスタブに花とか浮かべたぜ。その為の大きな風呂だ。



わたしがアル君抱いて入ってその反対側のシャルさんの顔真っ赤。だがこのアイギス。全ての精神力を注いで平常心を保つ事につとめた。


ここでボロを出せばシルフィちゃんに疑われること必然。エルフ追い込まれればなんとかなると、わたしは後で己を称賛した。


そしてわたしたちはお風呂から出て、セレスティナさん抜きだったけどちょっと遅い夕食をみんなで取って解散。


今日は疲れたと言ってシルフィちゃんに食器の片付けお願いしちゃった。


もはや、一家の団欒だんらん感を出すことが精一杯で限界であったのだ。何もなかった。風呂場では何も起きなかった。実際起きてない。



そしてわたしは自室に戻り……

まずは静寂障壁サイレントシールドの魔法を掛け自室から音が漏れないようにした。

オーケーこれですべての準備が整った……

もう、わたしの精神力は限界であったのだ。

そしてわたし、わたしは……

き止めていた感情を一気に爆発させた。


「シャルさん――男の子じゃん!!!」


わたしは崩れ落ちる。今まで火山の噴火直前見たいだったわたしの感情が大爆発する。

溜めてた恥ずかしさが決壊して奔流のように、心に押し寄せて来る。

耐えきれない。耐えきれない。耐えきれない!

羞恥心で全身が朱を差した見たいに真っ赤になる。


わたし、自分の部屋を余りの羞恥から耐えきれずに転げ回った。

死ぬ!死んじゃう! 恥ずかしさで死んじゃう!

心の底からなんであんなことしたのとかと後悔がさらに襲ってくる。


わたし女の子だよ。

男の子の前で真っ裸なんてなったことないよ。

小さい子ども相手ならともかく見られたことないよ!

しかもあんな近くで見たことないよ!


てかなんでそのまま一緒に入った。

わたしの判断大丈夫か!?

ついこんなお風呂場イベント如きで騒ぎだすなど女々めめぞ。誰がそんなイベント通りにするか!って張り合っちゃうって、そのまま何事もないようにお風呂入ったけど。

ダメ! 考えるだけで濁流のように恥ずかしさが襲って来る! 心が心が痛い! 止めてた心臓の動悸が半端ない。


「うわあぁあぁ――――あ、あっあぁあ、あああ!」


もう口から出てくるのは嗚咽だよ。

羞恥と後悔が交互に襲って来る。

わたしのメンタルやっぱり年頃の女の子なんだよ。知識じゃそういうのを知ってても、実際にこういうイベント体験したら思春期なわたしの心が過剰反応して生き地獄なの。理性じゃわかっててもわたしの女の子部分の暴走止められないよ。


それに実際に初めて男の娘に合ったけど、女の子とですら、性的な接触に忌避感あるのに男の子にできる訳ないじゃん。


「無理ムリムリ! なんで想像しちゃうの。うえ、吐き気……」



……結局、わたしは思い出しては転げ回り、精神の奥底からやって来る思春期特有の気恥ずかしさで悶えて、朝を迎えるまで身悶えし続けたの。


このわたし、アイギスが自分の心と向き合うには、余りに長い一日になったのだった……


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