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神祖の妖精王〜妖精騎士アイギスさんの冒険の日々〜  作者: フィリクス
第1章 星幽界の彼方から求めて
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第一話 妖精騎士アイギスさんの村人救出作戦(3)



ざっと周辺を空から"魔法の目"を使って上空偵察。


森以外の――他の場所に逃げ込んだ村人はおそらく死んでるな。既に賊どもにやられたであろう遺体を何体か見つけてしまった。

こうなると消去法で森以外に探索する場所がなくなる。


正直探索してもかなり望み薄なんだけど……

冒険者ギルドに報告できるくらいの事はして置かないと、ギルドマスターが依頼元のこの地方を治める伯爵に怒られるんだとか。


依って、この地方の冒険者ギルドのエースであるわたしは、そこまでの仕事が求められてしまう。

まぁ、ギルドマスターには世話になってるから良いけどさ。熟練の冒険者でも報酬が出ても森の探索まではやらないぞ。


そして今、森の住人たちが虐殺の憂き目に遭っている。恨むならギルドマスターを恨んでくれ。森の中を踏み荒らすなんてアイギスさんの本意じゃない。


しかし、森の奴らは卑怯である。

こちらは正々堂々小娘一人だ。

しかし、奴らは群れで襲って来る。しかも、単一の種ではなく、別々の種の魔物が次々にやってくる。


樹上から植物系の魔物が飛び掛かって来たと思えば、今度は猪型の魔物が突っ込んで来る。

それらを躱したと思えば、今度は足元から人間大に大きくなったミミズの魔物がわたしを飲み込もうと地面の下から飛び上がって来るのだ。


それはもう次々と新手の魔物がやって来る。

こいつら手を組んで連携でもしてるのかと思うくらいだ。

森の魔物は侵入者を集中して狙う性質があるらしい。個人プレイが集まって結果としてのチームワークになる。仲良いなお前ら。

しかし、このアイギスこそ真の王者。

実際わたしの種族は神祖の妖精王であるぞ。ハイエルフより上だぞ、控えろ、この下郎!


と、くだらない事でも考えながらでないとやってられない。魔物達の襲撃はしつこく彼これ四半刻(30分)ばかり歓待を受けている。尚、上記の妖精王のくだりはMMORPG中の設定、この世界でも有効かは不明だ。


もしかしたら、わたしは偽エルフかも。なんだよ神祖の妖精王って。エルフの種族レベルを最大まで上げて、イベントこなしまくって最終的に到達できる種族っていうゲーム中の設定は覚えてるけどさ。


しかし、始まりあれば終わりがある。

魔物達も馬鹿ではなく、お友達で積みあがった屍山血河しざんけつがをみれば勝てない相手だと理解する。お前らは狩る側ではない、狩られる側なのだ。と理解させる。


そして波が引くように魔物達のラッシュが終わりを告げた。これで森の王者決定戦の予選進出だ。


森の奥には更に強敵が待ち構えている。

"ぬし"と呼ばれる連中を全て倒せばこの森の支配者になれるぞ。

しかし、わたしは別に森の支配権が欲しい訳ではない。この戦いは村人救出作戦の一環だ。

奴らを大人しくさせるには力を見せつけねばならない。これで襲われまくる心配がなくなる、村人を探しやすくなるぞ。


さて、肝心の救出対象を見つける方法だが…

もちろん、当てがある。わたしの技能スキル、精神感知を使うのだ。精神感知はある程度なら感知した生命体の種族が判別できるのだ。


しかし、森のような場所だとパッシブ状態の精神感知の性能はかなり落ちる。"森"そのものが生命体に溢れているからだ。

特にこの森、生物が多すぎるように思う。

感知する精神波動が混線して良く解らない。近距離でないと正確に判別できないぞ。


一つの解決策としてアクティブにして精神感知の技能スキルを使う方法もある。こちらから精神波動を発して、相手からの反応を傍受、その存在を感知できる。こちらはパッシブと違って確実に判定できる。


但しその代償としてわたし、アイギスの精神波動を受けた生命体は死ぬ。なんじゃそりゃと思うかも知れないが何故かそうなってるんだよ。


どうも、わたしの波動で存在が溶けて無くなる感覚がある。自我境界線を保てなくなって死ぬような感じになるのだ。

……ゲームの世界ではこんな現象起こらなかった。しかも波動を発し続ける状態にする事もできる。

この状態で練り歩けば死の王よろしく存在するだけであらゆる生命体が死に絶えるのだ。


…ふむ、逆転の発想でそれでも良いかと考える。

何を狂気に走っているのかと、わたしの中の天使が突っ込む。悪魔の所業以外の何物でもない。外道か。

しかしその悪魔が囁くのだ。


蘇生魔法が有るんだから村人が居ても殺った後に生き返らせるとかどう? 森の中を地味に虱潰すとか時間効率コスパ悪くない?

(by 現代っ娘のギャル風悪魔アイギスさん)


……この神祖の妖精王たるアイギスさんには"死"はただの状態異常バッドステータスに過ぎぬ。蘇生魔法がだめなら上位の復活魔法もある。魂が消滅しても、因果律を逆転させての存在回帰魔法すら、我が手中よ。フフフ……


ふむ……誘惑に駆られるな……


しかし、わたしの中の良い子ちゃん天使が危険性を語る。


だめです。あらゆる生命は尊いもの。身勝手な行いは生きとし生ける者に対する冒涜よ。村人だけじゃなく、罪もない森の動物達も犠牲になるわ。何より死者復活魔法を試した事ないじゃない。

(by 聖女な騎士風天使アイギスさん)


わたし、アイギスと異世界の人達は同じ人間だ。そして、魔物、魔物とさげすまされているが、襲って来るモンスター達も実はこの世界に住む動物に過ぎない。

わたしが今まで死者の復活を試みなかったのは、生きて死ぬのが当たり前の世界で、死者復活という奇跡は、あらゆる生命に対する冒涜だと思ってるからだ。


わたしは正気を取り戻したぞ。ありがとう天使。


「わたしこそ神祖の妖精王にして最強の妖精騎士アイギス! このわたしに手間暇を掛けさせた事、死んで詫びるが良い! コスパ最高!」


そしてわたしは精神感知の技能スキルをアクティブに。わたしの精神波動で周辺の生命体の魂が溶けて行く。


……良く考えたら魔物殺しまくっておいて生命の冒涜だとか今更感ある。ありがとう天使。矛盾に気づかせてくれて。人の生命もコスパには勝てなかったよ。生き返らせれば帳尻合う合う。

(by 闇に堕ちた妖精騎士アイギス)


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