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神祖の妖精王〜妖精騎士アイギスさんの冒険の日々〜  作者: フィリクス
第1章 星幽界の彼方から求めて
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第四話 妖精騎士アイギスさんの黒龍退治と騒動の後始末(1)



黒龍が空に羽ばたき、圧倒的存在感でわたし達を睥睨へいげいする。その姿は四足歩行するトカゲではなく、人間のような体型の人型だ。大きな漆黒の翼で滞空し、わたし達を見下ろしていた。


『さて、ハーヴェイ。時間稼ぎはすると聞いていたが敗れたようだな。我が貴様に手心を加える道理はない。解っていような?』


黒龍に問われ、疲れきった顔をしたハーヴェイが顔を上げる。なんだか、やる方なしって感じで話し始める。


「……待て、グランヴァン。事情が変わった。神祖の妖精王の件は誤報の可能性が出てきた」

『…………ふむ? 誤謬ごびゅうとな?』

「ああ、そうだ。ここで必ずしも争うのが得策ではない。来て貰って悪いが……」

『……ハーヴェイ。私がよもやそのような理由でおもむいた訳ではないという事は知っていような』

「やはり、駄目か……」

と、ガクンと顔を下に向けるハーヴェイ。わたしはこれは不味いと思い勇気づける。


「ハーヴェイさん諦めないで。諦めたらそこで試合が終わるんだよ。そこは頑張って食らいついて」

これは無理だ。と、言った感じで首を左右に振る白い髪の女エルフ。


止むを得ぬ。

ここは爺さんとの会話でも披露したアイギスさんの交渉力を見せる時。ジェラルダインには任せておけぬ。

あの暗黒騎士だと嫌な展開になるとしか思えない。弟倒してるとかフラグ過ぎる。おそらく殺してるだろ。

立てられたフラグごと粉砕ブレイクするぞ。


「お初にお目に掛かる。黒龍グランヴァン殿。わたしは神祖の妖精王に連なる者。妖精騎士アイギス」

『なに?』

と、わたしの言葉に黒龍が反応する。よし、掴みはオッケーだ。爺さんの時も反応あったしね。有名なんだね、神祖の妖精王って。


『馬鹿な。……貴様。我をたばかる気ではなかろうな? 神祖の妖精王は太古に星幽の彼方かなたに去った筈。何故その関係者と言えるのだ』

「……血筋だ。しかも、わたしはの王の生き写しらしい。アーパ・アーバおうもそれを、認めたぞ」

『……むぅ』と、精神波動に乗せて考え込むような気持ちが伝わってくる。

良しっ。とわたしはここで、畳みかける。

「良い。黒龍殿。話しを聞こう。この暗黒騎士ジェラルダインめに用があるとお見受けするが……」


と、わたしはジェラルダインを見る。勿論もちろん、目線で"なんとかしろよ"と言った感じに。正直、わたしだけではこの辺りが限界だ。フォローしろよ全力でよぉ。

ジェラルダインはわたしの意図を受け取ったのか片手を軽くあげた。こういう時でも余裕そうだな。


「アイギス。奴は例年開かれる世界条約会議の黒龍族側の常連だ。偉いさんと言う訳ではないが立場はあるな。立場は」

なんのことかさっぱり解らない。ただ、ジェラルダインが急に話し出すのでわたしはそれに乗る。

「ふむ……やはり名のある御仁であったか……それでジェラルダイン。どうする気なのか」

「それはグランヴァン次第だろう。――……だが、神祖の妖精王の血縁に手を掛けてどうなるか……」


と、中々上手い具合にジェラルダインは視線を黒龍に移しながら喋る。


「黒龍王に叱責をたまわららねば良いがな」

『我を脅迫するとは良い度胸だなジェラルダイン』


そして、ジェラルダインが"お前の番"と言った感じで目線を送り返して来る。おい、早すぎるぞ。


でもここで言いつくろないと真龍――中でも最強と云われる黒龍と戦闘だ。しかもこいつ倒したらまた次の黒龍が……とか洒落にならないぞ。今その状況にいるんだし。

てか、あいつしれっとわたしを巻き込んだな。


「……グランヴァン殿。ジェラルダインに因縁があるのは承知。されどここは爺さん……じゃなかった。アーバ・アーパ翁の聖なる墓所の地。ここで戦うならこの神祖の妖精王に連なる者、妖精騎士アイギスの相手をして貰おうぞ」


黒龍がわたしの様子をじっと見る。

『……良かろう。神祖の妖精王に連なる者なら不足はない。ジェラルダイン共々相手をしてくれよう』


わたしはジェラルダインを見る。

おい、やる気になってんだけど。今まで話しの流れガン無視してきたけど。

「アイギス。黒龍どもは火龍族に次いで戦闘狂の集まりだぞ。挑発するような事言ったな?」

「……それを先に言ってよジェラルダイン」

「なに、お前は私から見ても頑張った。どのみちこうなるさ」


と、優しく声を掛けるジェラルダイン……。って騙されねぇぞ。元はお前のせいだろ。


「さて、ハーヴェイ。手伝って貰おうか。お前の蒔いた種だ。取り敢えずこの魔法封印結界を解いて貰おうか」

「悪いな……私にも立場というものがあるんで、な!」

言葉尻と同時にハーヴェイが樹木妖精トレントの爺さんの遺体の巨木に手をかざすと、白髪の女エルフの姿が緑色の粒子に包まれ掻き消える。


「なっ! 逃げた。魔法が使えないのに」

「魔術師魔法ではなく森司祭ドルイドの信仰系魔法だな。おうの遺体も動かしてたろ」

「待ってジェラルダイン。じゃあ黒龍相手にするのに……」

「魔法が使えんな」


黒龍は上空で羽ばたきながら堂々と宣言した。

『では、戦いを始めようではないか』



わたし、アイギスの始めての真龍との戦いが始まった。



さらっとテキトーに書く事でなんとか更新。

(´・ω・`)〈 然し次は戦闘シーン。

明日、更新できるかはプチ絶望であるな。

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