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神祖の妖精王〜妖精騎士アイギスさんの冒険の日々〜  作者: フィリクス
第3章 妖精達の冒険ストラテジスト
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第十七話 妖精騎士アイギスさんの血塗れの妖精騎士と仇なす者達(3)



ギルマスが帰った後、わたしは慌てて金融ギルドに急いだ。転移魔法で移動して、隠蔽魔法で姿を消してと誰にも見つからないようにギルドに移動し到着。



金融ギルドの勝手口から入ると、普段は使わない秘密の通路を使って、なんとかその現場に間に合う事が出来た。


先に待ってたのはアスタロッテだ。他にも金融ギルドに雇われた腕の立つ連中が何人か。

その部屋は金融ギルドの長バルガスの執務室兼応接間の横にある控え室だ。

この部屋は何かあった時に備えて警護役が控える隠し部屋だった。


到着早々、アスタロッテが手招きするので近づいて見ると壁の一部が透過して中の様子が見れるようになっていた。


声も聴こえるよ。ちょうど会談が始まったくらいだった。


「来るとは聞いてたが、良く顔を出せたモンだ。今じゃお前らの事で街中が噂で持ちきりだぜぇ」

「そいつは頂けないな。まったく余計な噂を流されたもんだ」

「流れちまったモンは仕方ないな。それで、今回、来るとは聞いてたが用向きを聞いてねぇな」


執務机の革張りソファーに座る金融界の重鎮、バルガスのおっちゃんとの対面には半妖精ハーフリングの小男……わたしのケジメ付ける相手の盗賊が居た。



「金貸しに金以外の理由で来ると思うか?」

「盗賊相手に金貸しが、一番会いたくねぇ理由じゃねぇか。もう少しまともな理由かと思ったぜ」

「金が必要になったんでな。用立ててもらおうなんて思っちゃ居ねえよ。……ただ、人様の金を預かってるんだそいつを返してもらいたいな」


「ここは金融ギルドだ。儂はギルドの長であっても銀行屋ではないんだがなぁ。銀行業務は各銀行の支店に行きな」

「とぼけんじゃねぇぞバルガス。おまえが親父の金を預かってる事は知ってるんだぜ」

「被りするのも良いんだがなぁ。もう少しこっちの仕事を調べてから言って欲しいなぁ。まぁ、お前が息子だってのは聞いてるから話くらいは聞くがよ」


やれやれと嘆息するバルガス。表情も呆れた風な顔つきになり、物分りの悪い子供を相手にする顔つきになってるね。


「その息子が親父の金を受け取りに来たんだ。耳を揃えて渡してもらおう。嫌とは言わせねぇぞ」

「嫌とは言わねぇよ。もう一度言うぞ。銀行に行け。おまえの親父の金は口座に有るぜぇ。解ってるなら引き出せば良いだけじゃねぇか」


「バルガスよぉ。こっちもおまえの弱みくらい握ってるんだぜ。貴族相手に偉くボロい商売してたよな。親父から聞かされてるぜ?」

「じゃあ、頑張んな。それで儂の口割ろうってのが情けねぇ。――おい、お帰りだ」


わたしとアスタロッテのそばに居た警護役がぞろぞろと隣の部屋へ。半妖精ハーフリングの男を取り囲む。まぁ、その程度の脅し文句しか言えないんじゃおっちゃんと交渉できないよね。



「て、てめえ! それでタダで済むと思ってんのか!」

「おまえさんよぉ。その言葉そっくり返って来るとは考えないのか。儂がアイギスの嬢ちゃんに声掛けたらおまえの始末を喜んでしてくれるぞ」


するわぁ。るんるん気分で剣振るぜ。

ただ、盗賊には頂けない発言のようで、警護役の手を振り払ってなんか叫んでるね。


「バルガス! その時はてめえはギルドの敵になるぜ! その首がいつまで持つかな」

「それはおまえさんの方だろ。もう、首に縄掛かってるから儂に会いに来たんだろぉが。その様子だと本家から人を寄越されたな」


"本家"ってのはさかずき交わした盗賊ギルドの親分筋の連中のことだよ。この辺りの盗賊ギルドとは親と子の関係って訳。


「バルガス、親父の金を寄越せ。コイツはギルドの総意だ。あの金はこっちの元手なのは知ってる筈だ。盗賊から金をくすねてタダで済むと思ってんのか。オレが死んでも他のやつが黙ってねぇぞ!」

「だから、嫌。とは言ってねぇんだよ。いざという時に口座の在り処までは預かってる。だが、引き出し方までは知らねぇぜ?」


「金融ギルドの元締めがそれをどうにか出来ねぇ筈がねぇな」

「おいおい、それ出来たらおまえの親父は金庫預けて鍵まで儂に預ける馬鹿って事になるぜぇ。儂が昔なにやったかオマエさん知ってるんだよな?」


半妖精ハーフリングの盗賊が反論できずに口を閉じる。おっちゃん何やったのよ……それで相手納得させるとか。まあ、道理が通ること言ってるけどさぁ。



「…………クソっ! 本当にどうにもならねぇってのか」

「一縷の望みを託されて悪いなぁ。じゃあお帰りだ。おまえんとこの頭目決まったら、また来るんだな」

「待て! なら、顔役には渡すって言うんだな?」

「銀行屋どもがそいつを認めればなぁ。頭の硬いメルキールやフリオニールが相手だぜぇ。そいつら説得出来なきゃ話にならねぇがな」


二つとも大手の銀行じゃん。信用しか存在しないような所がなんで盗賊の金預かってんだよ。初めて知ったわ。フリオニールなんてわたしが帝国でお尋ね者になってても口座からお金降ろせるからね。

…………良く考えたら、だからか。


「顔役を決めても時間が掛かるようなら話にならねぇ。当然、渡りはつけて貰えるんだろうな」

「それこそ、アイギスの嬢ちゃんとの問題を解決しねぇとな。メルキールもフリオニールも聖魔帝国という背後バックを敵にしたくねぇ。つまり、嬢ちゃん次第」


「………………やつとの交渉の機会を設けて貰いてぇ」

「良いぜぇ。ただ、交渉には材料が必要だな。あのキレっキレっの嬢ちゃんに、お前らがやらかした事に対しての詫び入れの材料がよ」


キレっキレっ違うわ。こんな美少女エルフがそんなにヤバい奴じゃないだろ。たまにキレるぐらいだわ。冒険者としては普通だよ。


「……参考に聞きてぇな。何が材料になる?」

「まず、あの家畜主だな。嬢ちゃんがお前らに手をだしてないのはそいつの生死が解らねえからよ。ただ、そいつは交渉の条件であって材料にはならねぇ。材料は……オマエの生命ぐらいしか思いつかねぇな」


「クソがっ! 覚えてろよバルガス!」

「な〜に、オマエがガンガスの跡目を継ぐってなら余裕で切り抜けられるぜ。老い先短いおいちゃんに男を魅せてくれよダンケス」


と、最後に捨て台詞セリフを吐いて去る小男の背中に何処かで聞いたようなフレーズを投げ掛けるバルガスのおっちゃん。似たようなセリフみんなに言ってるのかな?


そしてダンケスと最後に名前が判明した、絶殺予定の盗賊が部屋から完全に居なくなった。入れ替わる様にわたしとアスタロッテが一緒にバルガスのおっちゃんの前に姿を現した。



「おう、来てたのか。……まためんこい嬢ちゃん連れてるねぇ。やっぱり隅におけねぇな、儂も若い頃は色んな女に手出したもんだぜぃ」

アスタロッテが初心うぶな振りして刺繍レースが付いた白手袋付けた両手を頬に当てるの。

「あらあら、まあ」


「いや、手は出してないから。アスタロッテも恥ずかしがるのやめてよ。勘違いされるじゃん」

「アイギスさま……お慕いもうしあげておりますわ……」

「だから、潤んだ瞳で見ないで。良くそんな表情すぐに出来るわ」


この部屋入るまで澄まし顔だったんだよ。それがもう頬を赤らめてるの。演技派にも程があるわ。……演技だよね?


「おう、これは完全に脈があるぜぃ。他にも居るんだろう? いやぁ、まさか嬢ちゃんがそっちとはなぁ。錬金術ギルドの婆さんと仲良い訳だぜぃ」

「いや。婆ちゃん、そっちだから仲良いって訳じゃないわ。わたしも最近知ったわ」

「儂もなぁ。色んな女に手ぇ出したんだが、添い遂げるって相手を亡くしてなぁ……」


バルガスのおっちゃんが何故なぜか昔を思い出したのか沈んだ表情になる。そう言う話しをしに来た訳じゃないんだけど。


「いや、おっちゃん。本当に悪いんだけど色恋の話をしに来たんじゃないんだよ。多分、あいつがわたしのケジメ付けなきゃならない相手だと思うんだけど」

「おお、そうだった。歳食うと物忘れがひでぇ。多分、来るだろうとはアイギスの嬢ちゃんから聞いてたがな。本当に儂につら見せるとはなぁ」


それ、アスタロッテに言われたんだよね。いずれ金に困ってバルガスのおっちゃんの所に、家畜主を嵌めた主犯が来るだろうって。

今回の雪羊を盗み返したのもアスタロッテの策略なんだよ。真相を知った日、困ったわたしが相談したら、夕食を用意してたアスタロッテが、なら雪羊を狙うと面白い事になりますよ、って。

……確かに面白い事にはなったよ?


「でも、ここでおっちゃんに会いに来る奴が貴族連中をそそのかして、仕込んだ奴って良く解るよね、アスタロッテ。その辺りの話全然聞けてないんだけど」

「それは申し訳ありません、アイギスさま。なにぶん、王国方面での仕事も任せられて居ましたので」

「いや、それは良いんだけどね。……」


の、割に夕食だけはうちに来てたけど。でも、シルフィちゃんと毎日交代でご飯作ってくれるから文句とか一切言えないの。仕事しながら夕食だけでもご飯作ってくれるとか大変だよ。感謝の念しか思い浮かばないわ。


「儂もそれは聞きてぇな。ダンケスは聞いての通り、ガンガスの息子だぜ。あいつが代表して来ただけかも知れねぇが?」

「あら、でもおじさまも一枚噛んでるという前提でお話しされてたようですけど」


「もち、張ったりよ。そう聞いてたからなぁ。ただ、尻尾は出さなかったなぁ……あの様子だと不味そうではあるがな」

「……ごめん。どうして不味そうなの? 盗賊の金が銀行預かりでさえ吃驚びっくりなんだよね」


隠し財産か何かかな。

貴族連中と揉めてるし、本家に上納金とかもあるだろうしね。金に困っててもおかしくは無いよ。それに跡目争いらしいけど、金を積めば顔役になれるとかそういうシステムじゃないの?



「いえ、正確に言えば盗賊ギルドの資金口座ですね。ギルドを運営するには必須ですよ」

「めちゃくちゃ重要な奴じゃん。なんでそんな口座使えなくなってんのよ。商会が口座使えなくなってるのと同じだよね」


「嬢ちゃん。そりゃ連中、盗賊だからよ。まともに口座作れねぇわ。偽の商会作るか個人口座になっちまうなぁ」

「確か、口座の引き出し方法が変わるんですよね?」

「ああ、そうだぜぃ。口座毎に色んな手使ってな。月代わりとかもするからやり方解ってねぇと銀行側も応じねぇな。そのやり方申し合わせる奴居なくなったら……まぁ、こうなるわな」


それが、つまりさっきのダンケスの親父で盗賊ギルドの顔役だったガンガスだったって事か。


盗賊ギルドなんて現金売買が主なんだろうけど、現場での取り引きはともかく、盗品を遠方に売却とかもしてるだろうから、それで口座使ってたのか。

金貨とか嵩張かさばるし、輸送するにも危険が大きいから、以外に中世時代みたいなこの大陸でも小切手での支払いとか、現金以外の取引も多いんだよ。冒険者ギルドも金貨10枚以上は口座振り込みだわ。


「で、おっちゃんがいざという時にその口座の在り知ってると、……顔役が決まったら教えてやる取り決めなんだね」

「でないと、死に金になっちまうからなぁ。そういう取り決めでな。銀行屋もヤバい金だと解ってるから手出しできねぇのよ。だが、あの分だとガンガスのやつ、余程身内を信用してなかったのか金の在りを他に漏らしてなかったようだなぁ」


「裏切りを心配していたようですよ。元々地元の人間ではありませんし、後継に適任という人材が居なかったようで」

「……そうか。盗賊ギルドも難儀だな。……その分だと聖魔帝国も困ってんだなぁ。やったは良いが後任が居なくてよ」


「あら、お解かりですか。そうなんです、騒動終ってもお任せできそうな方が居なくて。おじさまに心辺り有りませんか?」

「儂は金貸しだぜぃ。盗賊の事は解んねえな。そこまで絡みたくないってのもあるぜぇ。金貸しと盗賊なんぞ、組み合わせ最悪だぜぇ」

「仕組んどいて良く言うよ」


絶対知ってるよ。ただ、おっちゃんも迂闊に裏に深入りすると殺られるから嫌がってんだよ。金を扱ってるからどんな理由で狙われるか解んないからね。


もう、隠居見たいなものなんだし。


「で、その終わった後の話は良いとして。あのダンケスがわたしの本命の理由は。アスタロッテ」

「そうですね。もし、跡目争いに関わって居なかったらここに来ませんね。頭目の実子なんてそうでなくても厄介者ですから」


「儂もそう思うぜぇ。関係なけりゃ姿隠すよなぁ。けど、見つかって仕方なくってのもあるぜぇ。本家が出て来たんじゃ、嫌とは言えねぇんじゃねぇのか」

「本家が来る、とは聞いていても、"まだ"、来ては居ませんよ。動くにしては早いですよね」

「……揺さぶり掛けたな嬢ちゃん。今回の仕込みも嬢ちゃんか。成る程、思わぬ所で夢魅せて貰ったな」

「どういう事よ?」

「ああ、つまり……」

とアスタロッテが詳しく説明してくれたよ。



跡目争いでこの辺境の盗賊ギルドのおさ決めるよ。

でも、誰がなるかは実力見せてみろよ。でないとギルドの奴らが納得しねぇ。立候補者はシノギ削りだすよ。

丁度、ゴブリン村を強請ゆする計画あったわ。コイツをしのげば他の連中も認めざる得ないだろ。

鮮血妖精ブラッディエルフ〉がヤバいけどやってみるか。

ヤバいやっぱり出てきたわ。一旦撤収。


(別の跡目候補)失敗したな馬鹿め、成功したら美味しいからゴブリン村脅しとこ。伯爵も念入りに絡ませれば〈鮮血妖精ブラッディエルフ〉が出て来てもなんとかなるだろ。


あれ、出てきたけどゴブリン皆殺しかよ。ゴブリン村と繫がりねぇのかな。よしっ計画続行だ。

強請ゆする額少ないし貴族どもに噛ませるから予定と少し違うけどあの家畜主を金融ギルドと組んで嵌めるよ。でも、雪羊は全部引き取れって。金出すの貴族だから、まぁいっか。

後は、伯爵も巻き込んでゴブリン村が金出せばシノギ完了だぜ。でも貴族が金出した雪羊盗まれた、ヤバい。


(別の跡目候補)仕方ねぇ阿呆だな、伯爵も絡んでるからそれをネタに貴族どもで脅せよ。雪羊は〈鮮血妖精ブラッディエルフ〉だろ。こんなのゴブ村と噛んでるぜ。流石にあの〈鮮血妖精ブラッディエルフ〉も伯爵とはやり合わんだろ。良い感じに手打ちだな。


ぐぬぬ。クソっこのままじゃあいつに持ってかれるぜ。しかも本家まで来るだと、仕方ねぇ。バルガスの野郎を揺さぶるか。三下だと会わねえからオレが行くしかねえ。それに金の引き出し方が解らねえとどのみち本家の言いなりだからな。



「と、想像ですけどこんな形ですね。追い込まれた方がやって来ますよ」

「この嬢ちゃん策士だな。一手で悪巧みを全部覆してるぜぇ。まさか伯爵が自分で手打ちもできねぇとは連中も思ってねぇからな」

「でもさ、おっちゃんの悪巧みだけ粉砕されてるどころが完成度が増してない?」


金融ギルドだけ棚からボタ持ちだよ。貴族の借金、雪羊分が予定より大幅に増えるんだから。悪巧みの片棒担いでるのにこの理不尽さよ。


「それは言いっこ無しよ。だから罪滅ぼしに協力してんだぜぇ。それに口利き料くらいで全部、儂の金になるって訳じゃないぜ。……若い衆に夢を追い掛ける心地良さを教えたくてなぁ」

「金貸しの浪漫はもう少し自分で頑張って追い掛けさせてよ……でも、それだと家畜主はやっぱりダンケスが確保してるの?」


雪羊盗み返したのも家畜主のおじさんの居所探す為だからだよ。さっきの盗賊捕まえて吐いてくれたら楽だけど、盗賊のやり方だと必ずしも知ってるとは限らないのが面倒なの。

何かあった時の保険で敢えて居所知らない可能性が高いらしい。


「そうですわ。おじさまが交渉役になってくれるらしいですよ」

「まぁ、言った通り。奴らがそれなりの材料持って来ねえとダメだろうがなぁ。よっぽどのモン持って来ねえと手打ちにする気ねぇんだろぉ?」

「手打ちして殺すわ」


何持って来られてもわたしの面子メンツとゴブ村の借りは簡単には引き換えにできないよね。良いもん持って来られても後で殺るよ。


「おぉぅ、どのみち殺る気か。まぁ、それでも良いんだが余りやり過ぎると今後に差し支えるぜぇ。儂も仲立ちするから信用に関わるしなぁ」

「裏の連中なら良くある話じゃん。おっちゃんも絡んでんだから、その信用は諦めなよ」

「まぁ、相手が盗賊だしな。それに奴が男を魅せないと交渉にまで持ってけないしなぁ。……その辺りの仕込みはしてんのかい、そこの嬢ちゃん」


「あら、必要ないと思いますよ。もう本家が来ますし、このまま手を加えて見てたら後がないですわね。おじさまもお解かりでは?」

「この嬢ちゃんわるだなぁ。アイギスの嬢ちゃん、こんな良い女、中々居ないぜ」

「話しの流れで解った。何が起こるかはね……」



バルガスのおっちゃんも解ってて煽ってたんだ。

アスタロッテは諜報工作とかやってるんだから、お手の物。魔女王と天使王の娘は伊達じゃない。


貴族連中がこの辺境の盗賊ギルドの失態で損害受けそうなのに、本家の盗賊ギルドに文句言わない筈ないものね。

跡目争いに口出ししてくる恰好の理由だよ。

ダンケスはこのままだと全ての失敗の責任を押し付けられて確実に始末される。


わたしと交渉どころじゃないよ。ヤツも解ってるんだろう。……ただ、一つだけ起死回生の策があるんだよ。

そう、ヤツの男気が問われる時が来たな。



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