したくない女としたい男
「いやよ!いや!絶対に嫌よ!」冬の海岸で、女が男に叫んでいる。
「待ってくれよ!どうしても俺は、したいんだ!」
「嫌なの!この状態でするくらいなら、私死ぬわ!」
「早まるなよ!」
「いっそ、あなたが私を殺してちょうだい?」
「嫌だよ!君には死んでほしくないんだ。」
「ほんとに??ほんとに私に死んでほしくないわけ?」
「ああ。ほんとだよ!嘘をつくわけないじゃないか。」
「じゃあこれは何よ?」 女は、yurina&kenと書かれた指輪を見せつけた。
「私は、ゆりあよ!ゆりなって誰なのよ?はぁ。あなた、ほんとは家族に私との関係がバレたくないから、殺したくないんでしょ?」
「…」
「やっぱりね。あなたってほんと最低。」
「わかってくれよ!ほんとに俺は、君としたいんだ。君しかいないんだ!死ぬ気でしたいんだよ。」
「ほんとに?私が死ねって言えば死んでくれるの?」 「いや…それは…」
「ほら、そう簡単には、死ねないでしょう?」 「だって……だって…」
「だってだってって何よ?子供みたい!」
「だって…@¥$#までは、死ねないじゃないか…」
「なんて言ったの?」 「だから!『悪役令嬢ユリアは婚約破棄されて、挙句の果てに剣と結婚させられました。』が完結するまで、死ねないだろう!」 男は、今期で1番と言っていいほど声を張り上げた。
「それは、確かに簡単には死ねないわね!」女は、今期で1番と言っていいほど深く頷いた。
「ところで、どうして指輪が『yurina』になってるのよ!『yuria』で注文したんじゃなかったの!」 「ごめんごめん。『n』を間違えて入れちゃったかも…。妹の名前がゆりなだから、ついつい…。」
「もう!相変わらずおっちょこちょいなんだから!コミケで本格コスするって言ったじゃん!」
「申し訳ございません。ユリア様。」
「まあ、許してやってもいいわよ…。私も、死ぬなんて言ってごめん。私も、死ぬ気でコスしたかったから、それだけはわかって?」女は、少し顔を赤らめた。 「君はやっぱりユリア様そっくりだなぁ。君に会えて嬉しいよ!」
「ほんと?ありがと。」
12月のコミケが楽しみだ。早くコスプレしたいなぁ。