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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
精神と鉄機を操る神々
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機械の神3

黒鴉の案内でやってきたのは工場が併設された簡素な建物だった。

「何て言うか…普通だな」

「表向きはね」

がっかりしている面々を笑いながら内部に案内する。

「私だって普段は入れないけど今日は特別よ」

カードキーを読み取り機にかざして指紋認証をする。

「はぐれないでね、資材置場だけだからね」

神華が前に出て案内を引き継ぐ。

「黒鴉様は所長と面会がありますのでここからはアタシが案内します」

素性を知っているため翔達は警戒するが神華は愛想笑いする。

「なにも出来ませんから安心してください」

「君の世界はどういう世界なんだ?」

翔が前を歩く神華に探るように尋ねる。

「作ってないです、色んな世界を見てから勉強してから作るつもりでした」

乗っ取り支配するつもりだったが作戦はオシャカになって今の目標を伝える。

「じゃあ機械はやっぱり関係ないか…」

分かりきっててもつい口走ってしまう。

「はぁ、あなた方もアタシを疑うんですね…」

神華は気だるそうに白けた目を向けてくる。

「悪いな他にあてがなくてな」

「まぁいいや、言っておくけど敵の名前も知らないわよ」

神華の案内で地下の倉庫に案内される。

神鳴以外は何も触らずにじっとしているように神華に釘を刺される。

「特に狐は遊びそうだからダメ」

「ひど!」

そんなやり取りは無視して神鳴はまだ原型の残った機械の残骸に触れて目を閉じる。

「本当にあれで世界を特定出来るのでしょうか?」

黒姫が不安そうに呟くと神華が小声で話す。

「アタシはよく分からないけど神鳴はそういう能力なんじゃない?」

「じゃあ君はどうやってこの世界に?」

「父の世界だから多分神は皆知っている筈なのよね、今までプロテクトあって侵入出来なかっただけで」

初耳な話しに皆感心したように唸る。

「どちらにしても此方から出向くつもりならそれなりの覚悟をした方がいいわよ?」

重火器を用いる軍団を相手にする事について改めて注意される。

「別に今日行くわけじゃ…」

神鳴が触れていた機械が突然ビービーと鳴り空気が張り詰める。

「な、何の音!?」

全員が神鳴に声をかける。

「わ、わかんないわよ、急に…」

地響きが聞こえ全員がハッとし神華が真っ先に動く。

「不味い!敵襲!?」

「翔君!私達も行きましょう」

どたばたと全員が倉庫を出て地上階を目指す。

建物の入り口には杭が刺さっており今すぐにドローンが飛び出ようとしているところだった。

「まだ動いてないな!今すぐに一撃を!」

翔がすぐに雷怨を呼び出し全力で電撃を撃ち抜く。

被害が出る前に機能を停止したと思われた鉄杭だったが突然ホログラムの高身長の男性が翔達の前に現れる。

「うわ、壊れたんじゃないのか!」

翔が飛び退こうとするが体力が切れていて足が縺れて尻餅をつく。

黒姫が急ぎ駆けつけて精神力の治療を行う。

映像の男は咳払いをして自己紹介を始める。

「これは録画映像だ、我が名は神威、ふふふ神鳴…我の世界に接触したな?キミが先に痺れを切らすとは思わなかったぞ」

神威と名乗る男はニコニコしながらカンペを読み出す。

「キミが我の世界に来ないならまた定期的に攻撃続けるから辞めさせたければちゃんとこっちに来てくれたまえ、それじゃあ次はしっかりと相対する事を楽しみにしているぞ」

録画が終わったのかホログラムは停止して消える。

神華が被害が無いことに安堵しながら神鳴にじとっとした視線を送り棒読みで応援する。

「神威を倒すために頑張って下さい」

「えー、嘘ぉ…」

困った顔をする神鳴の所に黒鴉が合流して停止した杭を見て喜ぶのだった。

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