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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
精神と鉄機を操る神々
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二人2

デスクで書類とにらめっこする黒鴉のパソコンにとある通知が来る。

「…は?クレカ決済?」

決済内容の額の少なさに首を傾げてすぐに黒姫に何か知らないかメッセージを入れる。

しかし一向に返事が返ってこない。

「仕方ない浜松ん家に電話しようかしら…」

電話に出ない翔に苛々しながら机をトントンと叩きながらハッとする。

「まさか!あの二人!浜松ぅー!」

如何わしい想像が頭をよぎり仕事を切り上げて物凄い速度で荻原に車を用意するように伝えながら駐車場に向かう。

「久坂は仕事だからって何で俺様が用意しなきゃいけないんだよぉ、あちー」

愚痴りながら荻原は黒鴉がビルを飛び出してくる前に車を用意する。

「荻原ぁ!浜松ん家に殴り込みよ!」

「仕事始まったばかりなのにもう遊ぶんすか?」

黒鴉がぶちギレながら想像の話をすると荻原にも怒りが伝播する。

「それは許せねぇ!黒鴉ちゃん、飛ばしますぜ!」

「ぶっころがしてやるわ」

いきり立つ二人だったが車は安全運転かつ道路交通法遵守で進む。

二人はだんだん熱が下がっていき冷静になる。

「ホントに如何わしい展開になってると思います?」

「…よく考えたら狐や吸血鬼いたわ、でもクレカ決済と電話ぶっちは許さないわ」

「確かに!」

何かを話す度にヒートアップとクールダウンを繰り返す。

「しかしあの二人親父さんの許可貰ってるんすよね?」

「お父様が!?知らなかったわ…でも私は許してないわ!」

なかなか到着しない事に黒鴉の不安が高まっていく。

「はぁはぁ…早くころさなきゃ」

「黒鴉ちゃん、思考悪循環してるよ、落ち着いて」

深呼吸して窓の外を恨めしそうに睨む。

「どうして速度制限なんてあるのかしら!私が国会議員になったら取っ払ってやるわ」

「国が終わるのでやめてください」

気を紛らわすように何度も翔に通話を試みる。

「っく、出ないわ!」

「そんなに鬼電したら通話拒否されるっすよ…」


浜松家、黒鴉の鬼電に翔が震える。

「やべーよ、クレカ使ったからバレたんじゃ…」

「仕方ないですね、私が電話に出ましょう」

黒姫が映画を一時停止して電話に出る。

姉を呼び掛けた瞬間に翔にも聞こえる音量で黒鴉が叫ぶ。

「ぶっ○してやるから首洗って待ってなさい!」

ブツンと通話が切れて黒姫が苦笑いする。

「逃げましょうか?」

「家更地にされそうだから弁明頼むわ…」

黒姫が自分の携帯を見てメッセージに気付く。

「あっ…取り敢えず返信…っと」

翔は諦めて無心になりながら映画の続きを再生する。

暫くして呼び鈴すら鳴らさずに黒鴉が家に入ってくる。

「おいこら浜松ぅ!」

映画の視聴をしている二人を見て少し沈黙が流れる。

「荻原ぁ!ポップコーンとコーラ買って来なさい」

「姉さん上映中は静かに」

荻原の苦労に同情しながら翔は縮こまりながら黒鴉の次の動きを待つ。

「黒姫…ちゃんと話して貰わないと困るわ」

「ごめんなさい、二人の時間邪魔されたくなくて…」

「二人って他のは?」

翔が書き置きを指差す。

黒鴉はそれを手にとってため息を吐く。

「っち、プラトニックな関係でもお姉ちゃん許さないからね、認めてないからね」

「姉さん私の事捨てたくせに」

黒鴉は物凄く複雑な顔をする。

「それに結婚したら翔君は神藤家ですよ?」

(え!俺婿養子ですか!?)

黒鴉は凄い嫌そうな顔をする。

何か言うと面倒なことになると翔は無言で我慢する。

「浜松はライバル…いえ敵よ、そう邪魔者、私の誘い断ったの許してないんだから!…黒姫のばかー!」

黒鴉は泣きながら逃げ出して黒姫は満足げに鼻を鳴らす。


結局夜に神鳴達が日帰りで帰って来て二人の時間は終わり黒姫は残念そうにしていた。

その日から益々黒鴉の当たりが強くなった気がする翔だった。

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