表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
72/153

神を討て3

戦いを終えて参加者がボロボロになった競技場を見渡して様々な感情を抱く中で翔は黒鴉に質問をしていた。

「どうして神斎が来ることを知っているかのような振る舞いしてたんだ?」

「…海外の部隊が幾つか壊滅させられたニュースを頼りに調査したのよ、表向きは隠されてたけど」

何かを隠すように目を逸らして黒鴉が答え。

翔は初めて聞くニュースに驚きながら神斎について確認する。

「あいつの出現方法は?」

「魔物を何匹も同じ区画で倒すと反応して、実力者がいるタイミングで現れるようね…」

大量の魔物を倒す予選はその為かと納得する。

「相手の能力も知らずに無理したな…」

「自信はあったのよ、飽きると帰ると聞いて敵の能力には時間制限があるんじゃないかと予測して…」

しかし黒鴉は負傷した人を思い出し首を横に降る。

「悪神を討つなんて大層な驕りが無駄な被害に繋がったわ」

深いため息をついて黒鴉が遠くを見る。

「結局トドメはあんたに持ってかれたわね…」

「一番苦労したのはアキトさんだけど」

ドーピングで奮闘したアキトを思い出し二人は脱力する。

話を変えようと翔が今後のことを切り出す。

「結局この親善試合どうするんだ?」

「どうしようかしらね…テレビにもウソついちゃってた訳だし…」

黒姫が走ってやってくる。

「姉さん、取り敢えず全員に今後の意見求めて来ました」

「苦労かけたわね…どうだった?」

「一部はやる気に満ちてました、姉さんに任せます」

面倒臭そうに黒鴉は頭を押さえると意を決して参加者達に説明しに行く。

「黒姫は今回のこと知ってたのか?」

一瞬驚いた様子を見せてすぐに否定する。

「いえ、知りませんでしたよ…ただ…」

「ただ?」

「神藤の海外チームが突然音信不通になったと…」

以前の自身が承認したプロジェクトチームが裏で全滅してたと知りショックを受けているようだった。

「黒鴉から聞いたのか?」

「いえ、ミハエルさんです、先程聞きました…」

アメリカで展開予定だった神藤の組織が現地での戦闘中に出現した黒騎士に全滅させられこの中にミハエルの知人もいたという話だった。

「誰のせいでもない、知らなかったんだから…」

二人が黙り俯くと玉藻前の声がする。

「まだ動いたらアカンて!」

木刀を杖代わりにしてアキトが現れる。

「いやー久々に無理したな、怒られるなコレは」

翔達に挨拶をして壊れていないベンチにドカッと腰掛ける。

「ドーピングと高速移動と精霊術の酷使、確実に寿命が縮んだね、はは」

「すみません俺達が力無いばかりに」

「らしくないな、悪態つくなりツッコミするなりしろよな、勝ってしんみりしてんじゃねーよ」

わざとらしく足腰痛がりながら翔達の雰囲気に文句を言う。

「そんなに弱いと思うなら日頃鍛練しろっつーの」

説教しながら両足の脹ら脛を揉みほぐす。

「薬とか使わんと明日とか酷くなるで」

「んなもん持ってねーよ」

金森がどこからか現れてアキトに医療用鞄から取り出した湿布を手渡す。

「良ければ使ってください、無茶な事をする人ですね」

「おう、サンキューな、前向いてるのあんた位だな、復讐に駆られたりビビって自信無くしたり」

湿布を貼りながらアキトがボヤく。

「心が弱いと次が来た時負けるぞ?」

全員が固まり翔が恐る恐る尋ねる。

「つ、次?」

「ああ、コレで終わりって思う方が甘い、勝って兜の緒を締めよ」

アキトの真面目な表情から冗談ではないと感じた翔は心の奥底で叫ぶ。

(早くこんな地獄のような世界から帰りたい!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ