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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
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金の卵を求めて7

魔物退治という体の予選が終わり散らばった魔石を片付けながら翔達はゆっくりと競技場の方へ向かっていく。

そんな中で玉藻前が耳をピンと立てて何かに反応する。

「玉藻、どうした?」

翔が声をかけ近付こうとすると玉藻前が呟く。

「この感じ、あの時と同じ…来おったでぇ」

「来たって…まさか今か!?」

玉藻前が黙って頷くと翔は玉藻前達は黒鴉を探すように言って黒姫を連れ競技場へ向かう。


風雲急を告げる、競技場の中央の空間を割るように巨大な黒い騎士鎧が現れる。

すぐに館内放送で黒鴉が全員に通達する。

「全員退避よ!逃げなさい!」

騎士は煩わしそうに音の出ていたスピーカーを剣で破壊する。

その隙に参加者達は魔石の回収をしてバラバラに周囲に身を隠す。

モニター室では黒鴉が放送しながらスタッフに指示をして避難させる。

「思っていたより早く来たわね…まずは足並みを揃えないと!」

黒鴉は部屋から人が避難したのを確認して剣を呼び出す。

「逃がさないわよ!」


翔達が身を隠している遠藤に会う。

「君達は!いや、ダメだ、お嬢が逃げろと…」

そこで遠藤の携帯が鳴る。

「久坂かい!いまどこに…そうか、僕達は観客席西bだ、わかった!他の皆とも通話しよう」

遠藤が通話を一旦切ると翔達に説明を始める。

「競技場への各出入り口に人員が待機してる、タイミングを見て一斉に攻撃、お嬢からの指示だから従って欲しい」

「姉さんの…分かりました」

地上競技場への出入り口四つ、観客席出入り口六つの計十ヶ所、連絡取れる箇所を確認中とのことだった。

「参加者全員の連絡先交換しとくんだったなぁ」

ぼやく遠藤を尻目に翔が八坂に通話する。

「八坂か…今どこだ?地上の…東aか…他に誰かいるか?いないな、一斉攻撃、合図あるまで待て、オーケー?」

翔は遠藤にサムズアップし遠藤がメモを取る。

「次は神鳴か…繋がれ」


観客席の北通路で負傷者とそれを手当てする優男の所に騒ぎを聞き付けたアキトと神鳴が合流する。

「おい、大丈夫か?」

アキトが薬を取り出そうとするが神鳴が止める。

「あぁ、ぼくは大丈夫です…ちょっと彼は負傷してますが」

優男が腕を負傷した男性に包帯を巻き終えて競技場の騎士に目を向ける。

「逃げろと言われましたが…困りましたね…まだ他にも負傷者いるみたいだったのですが…」

そこで神鳴の携帯が鳴る。

「翔?今?…ここ?」

キョロキョロと辺りを見渡していると優男が観客席の北と教える。

「観客席北…そうアキトとあと負傷者一名と優男…」

「金森勇気です、優男はやめてください」

苦笑いしながら金森は神鳴に言う。

「金森勇気だって、へぇ医者なんだ…じゃなくて!…わかったわ」

翔から作戦を聞いてそれを伝えると金森は頷くがアキトが渋い顔をする。

「奴さん待ってくれそうに無いぞ…」

アキトの言葉通り騎士が剣を振り回して観客席の椅子を破壊し始める。

「マズいですね…足場がめちゃくちゃに…」

「俺が行こう…神鳴、俺が囮になる旨を伝えろ…なる早でな」

神鳴が通話しようとするが翔は玉藻前達と連絡を取っていて通話出来ず癇癪を起こす。

「落ち着け、黒姫はどうだ?」

「…行けた!」

「よし、後は頼むぞ!」

アキトが木刀を握りゆっくり出入り口に近付いて行きながら薬を一つ飲み干して瓶を投げつけ競技場に降り立つ。

「前菜が来てやったぞデカブツ!」

「みーんな逃げちゃったからボク退屈だったよ」

幼い少年の声、神斎の声が木霊するように辺りに響く。

「落ち着けよ、図体だけでガキみたいに癇癪起こすなよ」

挑発するアキト目掛けて剣を振り下ろす。

(鎧はダミー、攻撃は無意味だったっけな)

サッと考え事をしながらアキトが避ける。

「図星だったか?」

「あぁ!五月蝿いんだよ!」

神斎ら怒り狂いがむしゃらに剣を振り回す。

しかしドーピングで強化されたアキトには掠りもしない。

「遅いな、その鎧脱いだらどうだ?」

アキトは時間稼ぎをしながら相手の動きを観察して能力を探りながら戦っていた。

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