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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
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金の卵を求めて6

倉庫まで走り抜け掃討をする翔達をモニターで確認しながら電話の時の緊張感はどこへやら、あくびをする。

「小物がいくら出ても緊張感が少ないわね…」

他のモニターを見ると皆無傷で突破していく様が目に入る。

「討伐数計算大変ですからこれ以上増えてほしくはないですがね…」

スタッフが口々にボヤくのが聞こえ黒鴉が意地悪な笑みを浮かべる。

「どうせ浜松と黒姫を中央から離したタイミングでボス役を投入するつもりだし」

お偉いさんが頬を掻きながら困り顔をする。

「倒せますかね?」

「バイオレンスな絵が欲しいんじゃないの?」

「まぁそうなんですが…」

黒鴉が何かの遠隔操作のボタンを手に取る。


倉庫前の雑魚を掃除し終えた翔と黒姫は扉の壊れ具合を確認して安堵する。

「壊れて無いようです、間に合いましたね」

「そうだな、しばらくここで様子見か…」

翔が周囲の廊下を確認して二人は壁にもたれかかる。

「翔君、姉さんの次の手はなんだと思います?」

「次の手?」

「今の状況が姉さんの筋書き通りとするなら…」

黒姫が何か引っかかると考え始めるのを見て翔も一つ意見する。

「これがシナリオならボスが必要だな」

「それです、姉さんは私達を遠ざけてどこかにそれを用意していると思います」

「わかっても動けないのは変わらないよな…」

黒姫が「そうでした」とうなだれる。


魔物掃討開始から十数分、通路内の掃討はほぼ完了し終わりが見えてきた所で競技場に中型の魔物が三匹放たれる。

全員揃っていない中で突然の奇襲に混乱が巻き起こる。

苦戦を強いられながらも数人の善戦で会場と人命への被害は抑えられている。

「神藤さん?この魔物はどこで入手したんでしょうか?」

スタッフが黒鴉に尋ねる。

「一体はフェンリル、ヨーロッパから輸入したわ、後日本産の牛鬼と…」

黒鴉の説明と被るように競技場で神父姿のアフリカ系アメリカ人の男が拳銃を発砲しながら呟く。

「フィエンド…ニホンデモイルンデスネ」

悪魔を見事に撃ち落とす。

他の二匹も数人の負傷者を出しながらもほぼ同時に撃破される。

牛鬼は矢でハリネズミ状態にされフェンリルは鞭でぼろぼろになっていた。

モニターで見ていた黒鴉が頭を抱える。

「ウソー!早すぎるでしょ」

追加のボタンを押そうとする所でお偉いさんに止められる。

「流石に予算が!」

「そ、そうね…私も熱くなりすぎたわ…浜松達にも連絡いれないと…」

呼吸を整えて黒鴉がボタンを机に置き携帯を取り出す。


黒鴉からの連絡を受けて翔と黒姫はようやっと倉庫を離れる事ができる。

「ああ、わかった俺達も戻る」

通話を切ると黒姫が苦笑いしながら呟く。

「どっと疲れちゃいましたね…」

「はぁ、参加者の方が大変だな、この後個人戦だろ?」

資料を見ようとすると袋を抱えた玉藻前とダンがやって来る。

「およ、お二人そこで何してるであるか?」

「お前らこそ…なんだその袋?」

玉藻前が中身を見せて笑顔になる。

「ほれ見てみ!ぎょうさん魔石落ちとるんや!金になるでぇ!」

「…それ備品だから換金出来ないと思うんだよなぁ…まぁ掃除はしないとだな」

翔は改めて床に散らばっている魔石を見てため息を吐く。

黒姫も忘れていたと頭を押さえる。

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