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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
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令嬢の勤め4

浜松家に戻ってきた翔達を出迎えたのは似合わないエプロンとバンダナを巻いて料理の準備をするアキトだった。

「あ?お屋敷行って豪勢な料理食ってるんじゃねぇのか?」

「少なくとも俺は食ってねぇ…」

翔がお腹を擦りながらヨダレを流しながら料理を見る。

「仕方ねぇな、お前の部屋でパソコンいじってるだろう神鳴達呼んでこい」

翔が青ざめながら部屋に走り出す。

「勝手に触るなー!」

部屋に飛び込むと動画サイトを視聴してゲラゲラ笑う神鳴達三人がいた。

「なんだ動画か…飯だってよ」

「あら翔お帰り、黒服似合ってるわよ」

神鳴が翔の姿を見てニヤニヤする。

玉藻前達もご飯と聞いて翔に視線が集まる。

「松ちゃんお帰りやで、飯や飯ー」

「ふむふむ、黒服とは燕尾服…とは違うのであるな執事かなにかと思ってたであーる」

ダンが翔の服装を興味深そうに観察してくる。

「護衛だからな」

「なんと、護衛が必要な職場なのであるか!この世界の華族は恐ろしいであるなー」

「アホか、ウチらみたいな魔物がいつ出るか分からんからしゃあないやろ?」

玉藻前の言葉になるほどと納得して部屋を出ていく。

翔は素早くパソコンを確認して余計な事してないか確認する。

(良かった…ファイル弄られたりはしてない、まぁアキトが教えたんだろうから大丈夫か)

画面を元に戻して翔もリビングへ向かう。


野菜炒めとスーパーで購入したであろう惣菜と漬物類、白米にインスタント味噌汁、豪華とは言えないがそれなりの人数で食べるのに丁度よい晩御飯だった。

パクパクと箸を進める玉藻前と対照的に箸が進まないダン。

「和風な物が多くて悲しいのであーる」

「文句言うなら食わんでいいぞ」

アキトがキッパリとダンを突き放しながら野菜炒めの肉ばかり拾う。神鳴がそれを諌める。

「大人は野菜取りなさいよ!」

「お子様こそバランスよく食え!」

「ウチにも肉寄越せや」

玉藻前が参戦して肉の奪い合いになっていた。

「肉料理もっと用意すれば良かったのに」

翔が呟くとアキトが箸を突き出して怒る。

「お前が薄給だから皆ひもじい思いをするんだぞ!」

「今日だってデカブツ倒したんだぞ!…魔石回収してねーけど」

翔の報告にアキトが冷ややかな笑みを向ける。

皆が給金無しかと文句を言うのを聞いてアキトが急かす。

「ほれ皆文句言わずさっさと平らげろ!」


食事を終えアキトが物置に帰ろうとする。

それを黒姫が止めて姉の様子を尋ねる。

「あー、センスはあると思うんだがな…一週間であの性格矯正はちと厳しいな」

「そうですか、一人で寂しくしてないといいのですが…」

「まぁ任せてお前らは自分の事に集中しろ、神鳴達の世話も俺が一週間見てやるから」

そのまま去っていくアキトを見送り黒姫は翔を呼び出し屋敷に戻ることにする。

それを二階から神鳴が様子を眺めながら玉藻前と話す。

「あの二人の仲進展すると思う?」

「賭けか?せやなぁ…松ちゃんがチキンハートで進展しないに一票!」

「同意見で賭けにならないわね」

ダンがひょっこり顔を出して賭けに乗る。

「我輩がするに賭けてあげようではないかー」

する訳ないと冷ややかながら儲けたと二人は笑うのだった。

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