表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
50/153

令嬢の勤め3

執務室に逃げ込んだ二人、黒姫が沢山の人が見ていた事を慌てながらどうするか考えてぶつぶつと呟いていた。

「どうしよう…そうだ私として表に出れば…でも神姫さんの力使って…あぁ!」

「落ち着けって…夜なんだからそこまで細かく見られてない…あ!」

翔は隣で見ていた荻原を思い出してハッとする。

「く、口封じしなきゃ…」

物騒な事を言いながら携帯を取り出して電話をする。

黒姫名義で電話があったからか嬉しそうな顔をしながら荻原がやってくる。

「黒姫さーん!来まし…」

しかし扉を開けて数秒、黒姫の姿を見て混乱しながら状況を整理しようと固まる。

「誰かに私の事話す前に口封じしなきゃね…」

「へ?え?黒鴉お嬢…?」

ナイフを取り出そうとする黒姫を全力で翔が止める。

「黒姫!待てって!落ち着け、多分説明すれば理解してもらえると思うから!」

「翔君止めないで、私我慢も限界だから!」

相当嫌な思いをしたのか既にデスがスタンバイしている。

「黒姫さんだったんですか!?俺様の為にわざわざ会食に!?」

能天気な荻原を見て翔がため息をつき突き放すように言う。

「そんなわけあるか!」

「黒服風情が何言って…」

荻原の首に鎌が掛けられる。

「え、あ…な、なんスかこれ?黒姫さん!?」

黒姫がいい笑顔で荻原を見つめ翔が呆れたように話す。

「理解力とかさ危機感とか無いのか荻原さん…」

「あ!?…ひぃ!…何の話か全くわかんねぇぞ」

口汚くなっていく御曹司に翔が説明しようとするが黒姫が止める。

「もういいです、なにも知らずに死になさい」

「なんで!?」

デスが本当にやるのかと言う雰囲気で首を傾げる。

「ほんっとスミマセン、何も見てないし知りません!だから許して…」

黒姫がデスを戻し深くため息を吐く。

「二度と私に近寄らないでください」

その言葉に解放された事に喜びながら荻原が言い訳を始める。

「ほら嫌よ嫌よも何とやらって…はは」

プツンと黒姫の中で何かが切れる音がしたように翔は聞こえた。

「翔君、帰りましょう、今日はもう仕事終わりです」

ヘアバンドを外し荻原を存在しないものとして黒姫が笑顔で翔の腕を引く。

嫌悪から無への切り替えに翔が困惑しながら了承する。

「どこかで食事にしませんか?あぁ、神鳴さん達の様子を見に翔君の家に行かないとですね」

「え、あぁうん、そうだな…」

翔が呆然としている荻原をチラッと見て黒姫に手を引かれながら執務室を出ていく。

「残して良かったのか?」

「何がですか?」

荻原に対する感情から認識まで捨て去ってニコニコになった黒姫に連れられ車に乗せられて二人は浜松家に戻ってくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ