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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
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令嬢の勤め2

神藤ビル上層階のレストランにて件の荻原という男を出迎える。

黒姫が恭しく一礼をすると齢六十歳程の白髪交じりの男性とその後ろに茶髪のカジュアルな格好の男が黒姫に挨拶をする。

気さくに触ろうとしてくる二人を黒姫のどす黒い雰囲気で尻込みさせる。

「大蔵様と卓弥様、本日はよろしくお願いしますね」

荻原の父親が大蔵、息子が卓弥、黒姫の挨拶を見て一応覚えて翔は黒姫についていき隣に立つ。

「なぁ、黒鴉ちゃん、そろそろ縁談の話を…」

黒姫がプルプルと怒りに震えるのを見ながら翔が冷や汗を流しながらいつ爆発するか心配でいた。

「お、お仕事の話…ですよね?」

ひきつった笑顔をする黒姫を見てもまだ卓弥が続ける。

「俺様が来てるんだぜ?そういう話してもいいじゃん?」

「本人の預かり知らない所でそんな話をする気ですか?」

手元のカトラリーを手に取ろうとする黒姫を目線を送り落ち着かせる。

まだ続けようとする息子を父親が静かに一喝して仕事の話に移る。

とある公共事業を神藤グループ傘下に任せようという話を持ってくるのを聞いて翔がまた冷や汗を流す。

(おいおい、これ談合とかそういうのじゃ…)

知らない方がいい事実を聞いた翔は生きた心地がしない中で業務の話の後、父親が交換条件を提示してくる。

「そして我々としても神藤としても縁組みをしてこれからも仲良くしたいと思うのですが…」

「なるほど、お話は分かりました…」

下卑た笑みを浮かべる卓弥をチラ見して黒姫がキッパリ断る。

「御断り致します、そもそも父が居ない時にそのような話を持ち込まれても困りますので」

普段の黒鴉と違うのか意外そうな顔をする二人を見て黒姫がため息をつく。

話が停滞して気まずい空気になる中でビルに小さな振動が起き黒姫の携帯が鳴る。

(地震…じゃないよな)

黒姫が携帯に出ると近くで中型の魔物が発生しているので避難するよう連絡が入る。

「荻原さん、避難お願いします。翔君、本命のお仕事」

翔が頷くと卓弥が立ち上がり自分も行くと言い出す。

「俺様も行くぜ、お嬢に実力見せて認めさせてやるよ!親父は先避難しててな」


ビルを出ると正面に一つ目の4メートル程の巨人が棍棒を振り回して暴れていた。

「げ、中型っていうか大型じゃないか!?サイクロプスってやつか…」

荻原のビビる様子を見て翔が黒姫に作戦を伝達する。

「足止めするから目潰しとデスで脚削ぎ頼む、トドメは俺が裏取りする」

「わかりました」

翔が氷雨を使い素早く脚を凍らせて巨人の注意を引き動きを鈍らせる。

髪色を白くした黒姫が夜の闇を照らすように光の球を作りだし大きな一つ目に撃ち込み目論み通り目潰しを行う。

その光景全てに荻原がポカンとしていると黒姫はすぐさま前に飛び出しデスを使い巨人の膝を背後から切りつけ姿勢を崩させる。

翔が巨人の背中を駆け上がり焰鬼で首を切り裂きトドメを刺す。

大きな魔石が転がり翔と黒姫は互いに作戦がうまくいったことを喜ぶが居合わせた全員から驚きの視線を受けてハッとする。

「初日から替え玉なのバレたな…」

「翔君、逃げましょう」

黒姫の提案を受けてさっさとその場を退散するのだった。

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