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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
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神の力5

朝食を和気あいあいと食べていた翔はふと学校の修復具合が気になった。

正直再開される時は連絡があるとは思っているが流石に不安になった為に行ってみることにした。

翔は一人で黙って自転車に跨がり様子を見にいく。

重機が入り体育館を直している様子が目に写る。

(おー、大分直ってないか?授業再開も近いな)

学校を眺めていた翔に偶然そこを通りかかった八坂が声をかけてくる。

「浜松、こんなとこで何してんだ?…ああ学校の様子見に来たのか」

翔の様子を見て察した八坂が一人で納得する。

「八坂?どうしてここに?」

「街に出る時の通り道なんだよ、最近はあんまり稼げてないがな、先日も大騒ぎあったのに参加できなかったし」

神斎の襲撃の際は別の場所に居たらしい。

「そうか、そういえば八坂は向こうの世界に未練は無いのか?」

「なんだよ急に?身の上話聞きたいのか?」

「いや、よく会う割にあんまり八坂の事を知らないからさ」

無理矢理会話をしようと翔が苦し紛れの言い訳をすると八坂が面倒臭そうに頭を掻きながら話し始める。

「お前は覚えてるか知らないが俺は向こうじゃ黒の国の王子、って言っても出来の悪い三男、まぁもう意味のない立場だ」

「へぇ三男、ミナさんみたいに一人っ子かと思ってたよ」

「はは、王族は基本子沢山だと思うぞ?アイツが特例だって。ま、俺は政争に巻き込まれたくないし人望も無かったからな、刺激求めてこっち来たわけだ」

八坂が学校を眺めて寂しそうな目をする。

「学業はちょっと理解難しいが興味深くてな、見聞を広げたいが外国語?ってのは癖が強くて無理だ…俺は何言ってるんだろうな、もう行っていいか?」

八坂が腕時計を見て翔の返答を待たずにランニングしながら去っていった。

(アイツにも色々あるんだな…さて、食材買い物して帰るかな)


昼御飯と晩御飯用の食材をスーパーで買って帰宅するとリビングで何やら言い争いが起きていた。

「何事だ?あんまり騒ぐと近所迷惑…」

翔が注意しようとリビングに入ると黒鴉が神鳴に言い寄って騒いでいた。

「私にも、いえ、覚醒者全員にあの男や黒姫みたいに召喚術教えなさい!知ってるんでしょ!」

「嫌よ!というか私の管轄じゃないし!退魔士と精霊」

「この際名前なんてどうでもいいのよ、全体的に実力向上の為に寄与しなさい!」

翔の帰宅に気付いた神鳴が困り顔で助けを求めてくる。

冷蔵庫に食材を収納しながら翔が黒鴉に尋ねる。

「お前暇なのか?しょっちゅう家に来てるが大丈夫なのか?」

「それとこれは関係無いわ、いえ、仕事だから関係あるわね!さぁ教えなさい」

不遜な黒鴉の態度に翔は苦笑いする。

「それ人に頼む態度かよ?神鳴、黒姫達は?」

「稼ぎに街に行ってるわ、翔一人でどっか行ったから探すついでに」

神鳴も黒鴉を無視して翔の質問に答える。

無視された黒鴉が渋々頭を下げてお願いしてくる。

「私も足手まといは嫌なのよ、教えな…てください」

同情を誘いながら言葉に詰まりながらもお願いされて翔が神鳴を見る。

「ダメよ、皆強くなったら特別感が…!」

「犯罪利用も増えるだろうからなぁ…」

「そこを何とか!庶民!ヒントだけでも!」

「ヒントか…付喪神、これだけ教えてやるから帰れ」

悔しそうに唸る黒鴉だったが翔達からはこれ以上情報が貰えないと分かりぶっきらぼうに礼を行って出ていった。

「そう、参考になったわ!」

ヒントを出した翔を神鳴が睨みながら言う。

「良かったの?何か掴まれたら面倒よ?」

「神斎との戦いを見越すと可能性はあった方がいいかなって」

「精霊だって使い手だって十人十色…絶対ろくな事にならないわ」

神鳴の不安を聞いて翔も余計な事したなと反省する。

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