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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
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神の力1

敗北と死が迫る悪夢にうなされながら翔は目を覚ます。

病院ではなく自室にいることに驚きながら攻撃が直撃した自身の腹部を確認して痛みもなく包帯が巻かれている事で助かった事を再認識する。

(誰もいないのか…動かない方がいいのかな)

自身が神斎と名乗る敵に敗北した不甲斐なさを悔いながらまた横になる。

どうすれば次に出会った時に戦えるか、勝てるかを思案しながら敵の技を分析していると扉を開けて神鳴が入ってくる。

「神鳴か、皆は…?」

「目を覚ましたのね!呼んでくるわ」

神鳴が急ぎ部屋を出て玉藻前とダンがやってくる。

黒姫が居ないことに何かを察しながら体を起こす。

「傷は…シュメイラ先生の薬か?」

「ええ、内臓とかヤバかったらしいわ…」

血反吐を吐いたことを思い出して治っていることに安堵する。

「ウチ庇うためやろ?」

あの時背後にいた玉藻前が申し訳なさそうに頭を下げる。

「いや、地割れに気を取られて反応が遅れただけだ気負わないでくれ」

翔の言葉に玉藻前が顔を上げる。

神鳴が黒姫の事について聞いてくる。

「黒姫にも確認したけど…あの力は何か答えてもらいたいのだけど」

「あいつは何か話したのか?」

「私の質問に答えて」

神鳴の剣幕に翔は仕方なく答える。

「あいつの、黒姫の中にお前の姉だと言う神姫が乗っ取り転生しようとしてたから精神世界で撃退しようとしたんだがな、本人の精神への影響を考慮して交渉して一体化…こんなとこだ」

「そう、なら助けに行かないとね」

「…あのあと何があったんだ?」

翔の嫌な予感が当たった気がして恐る恐る確認する。

「コントロール出来ずに翔を負傷させたことに責任を感じて実家に戻るって、あと自身が次いつ暴走するか分からないって拘留するようにって」

「自分の時だけ勝手な…すぐに黒鴉に連絡する」

翔はベッドから出て携帯を手に取る。

「ちょっと、もう夜!」

「別にいいだろ」


翔が目覚める少し前、神藤の屋敷にて帰って来た黒姫と黒鴉は睨み合っていた。

「ちょっと意味分からなかったからもう一回言ってみなさい」

自分が半分人間辞めた事を告げられて頭を抱えながら聞き返す。

「ですから私…」

「危ないクスリ使ってないわよね?あの庶民や変人の集まりならあり得るわ…なんてことなの…」

絶望した黒鴉を前に黒姫が二人きりで説明すると伝えると黒鴉は部屋の中に待機していた黒服達を下げさせる。

部屋から人が居なくなった事を確認して黒姫は髪色を真っ白に変化させて黒鴉を驚かせる。

「これで信じてもらえますか?」

また黒髪に戻して一息入れる。

「…うわ、え?変身したの?」

「信じてくれましたか?」

「確認なんだけど何ができるの?」

質問への返答に困りながら「魔法?」と疑問符を付けながら答える。

「なるほど?魔法のようなのなら覚醒者なら何人かやってるじゃない?無理して拘留する必要ある?」

「あの時の怒りで我を失って…自分が怖くて…皆怯えてたようですし…」

無関心な感じに相づちを打っていると黒鴉の電話が鳴る。

「あら…ふふ、良いこと思い付いたわ」

馬鹿庶民と表示される画面を見てニヤニヤしながら電話に出る。

「何のようかしら?…嫌よ本人の意思よ?」

通話相手が翔だと気付き声を出そうとする黒姫を制止する。

「そうね、なら…あなたが強いことを証明して頂戴、そうね、明日は?ええ待ってるわ」

通話を切り黒姫を笑いながら励ます。

「彼はあなたを諦めてないみたいよ?いい王子様ねー」


通話が終わり翔は深いため息をする。

「黒鴉のやつ…強さの証明って何やらせる気だ…」

文句を言いながら携帯を机に置いて神鳴達を見る。

「知らないわよ?」

「姫やんの為にようやるわなー」

「日中は手助けできないであーる」

素っ気ない人外達に少々がっかりしながら明日に向けて気合いを入れる。

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