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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
幻想生物の神
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新たな敵5

電気屋の携帯ショップで品定めを黒姫に任せて翔は外で魔物が出ないかと不謹慎と感じつつ周囲を観察していた。

その様子を見つけ八坂が声をかけてくる。

「浜松、なにしてんだ?」

「八坂…あー、えっとお前は魔物探してないのか?」

玉藻前やダンを見つけられる前に話を逸らそうと八坂の事を聞く。

「今は猪尾達が広場で陣取ってるからな、俺は適当に時間潰してるとこだ、お前も目的が金ならあいつらとダチなら一緒に待てばいいんじゃねーか?」

そこに玉藻前がやってきて翔を呼ぶ。

「松ちゃん、サイン浜松名義で頼むでー、ん、今度は誰や?」

キョトンとした目で八坂と玉藻前が目を合わせる。

「こいつ魔物じゃないのか?…お前ほんとなにやってんだ…」

八坂が信じられないものを見る目で翔に聞く。

「い、嫌だなぁ神楽の世界の獣人だよ…ほら」

翔の誤魔化しを呆れ顔で否定する。

「馬鹿か?あそこには獣人なんていねぇよ…」

「えー、そうだっけ?…頼む、見逃して!」

誤魔化しきれないと判断して願い倒す。

「なんや、敵か?」

玉藻前の発言に八坂が構える。

「玉藻も喧嘩売らないで、八坂も構え解いて」

「前代未聞…かどうかは知らないが友達は選ぶべきだぞ…」

八坂は面倒な物を見たと踵を返して去っていく。

「改心してもあんな態度ばかりやと…ほんま疲れるわー」

「会話できるんだからせめて和解する感じで頼むよ」

胃がキリキリしながら玉藻前と共に店に入っていく。


諸々の作業が終わり広場に戻ってきた翔達を見てまた河内達が声をかけてくる。携帯を物珍しそうに操作している玉藻前達を見て連絡先が欲しいと言ってくる。

「なんや、ウチは別に要らんのやけど…」

玉藻前の素っ気ない態度にしょんぼりする猪尾を励ます河内、そこに西園寺とミナが挨拶混じりにやってくる。

「あちゃー、先客いたかー、景気はどうよ?」

西園寺の軽い感じに河内が首を横に振る。

「残念だが、周防さんもお金目当て?」

「いえ、ハルさんに人助けと言われて…」

翔は知人が集まっている事に非常に嫌な予感を感じながら神鳴を見る。

ニヤつく神鳴を見て翔は確信する。

(こいつ魔物呼ぶ気だ、お金か…人命か…冷静になったらお金の為に酷いこと願ってたな…)

周囲の待ち行く人を見て冷や汗を流す。

そんな翔を他所に西園寺達ともさっさと仲良くなる玉藻前達、中々のコミュ強であった。

「…やるわよ」

神鳴の小声で翔に呼び掛ける。一日で空っぽになった財布と街の平和を天秤にかけなおして震えながら答える。

「小規模で頼むぞ…」

「御主も悪よのう」

突如としてバリバリと稲光に近い光と共に天を割きながら悪魔のような姿をした無数の魔物達が空を覆う。

飛び交う悲鳴と逃げ惑う人々の中で白目になる翔。

「神鳴さん?」

「違うから!私じゃないわ!」

全力で否定する神鳴。

空の魔物が隊列を成した後、ズドンと広場の建造物を破壊しながら大将と思える二本角の馬に騎乗した悪魔が上空の魔物に指示を出す。

驚く面々はすぐに武器を手に持ちどうするか相談を始める。

「空の敵は対応できる僕と猪尾がやろう、大将は翔達で頼む」

河内の冷静な提案に全員が頷きつつ黒姫が黒鴉に電話をする。

「ウチらもやるか、ダン本気で行こうや!」

「むむ…日が出てるのである!我輩まともに戦えないであーる」

「…松ちゃん、やっぱドアホは使えんわ」

ダンを足蹴に玉藻前は刀を持つ。

「翔君、姉さんの所にも援軍要請しておきました」

(さっきの話しもあるし黒鴉の手は借りたくねぇな)

大将の目が逃げずに構える翔達を捉えて戦いの火蓋が落とされようとしていた。

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