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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
新たな神の物語
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精神世界4

自分の攻撃が翔に命中したことで神姫が酷く狼狽する。

「なぁ、黒姫…あいつ様子がおかしくないか?」

「どうしてでしょう…」

黒姫もその様子に困惑していると神姫が再び光球を作り出す。

「おい、やめろ」

「ワタシは…幸せに!」

翔を無視して黒姫を狙い打ちする。

(大丈夫、まだ受けれる!)

翔が間に入りまた受け止めようとする。

「翔君、また無茶して!」

徐々に小さくなる攻撃を受けきって安堵する。驚きながらも神姫も翔が無事な事にほっとしていた。

「だんだん戦い方分かってきたぞ…」

肩で息をしながらこの場をどう切り抜けるか考える。

「黒姫…まだ仮説なんだがあいつの容姿から何まで黒姫の影響を色濃く受けているんじゃないか?」

「そうなのかな…?確かに体格と髪型は私みたいだけど…」

「声もだ、擬態はやめたなら本性露した方が多分本調子になるはず」

二人が話し合っているのが気に食わないのかまた攻撃をしようとしてくる神姫に翔が即席のはったりを行う。

「やめろ!黒姫を攻撃してもお前の成り代わり先がなくなってお互い死ぬだけだぞ!」

黒姫も驚き小声で聞いてくる。

「それ本当ですか?」

「はったりだ、だけどあいつがもし君の影響受けているならあながち間違いじゃないような気がするんだ」

神姫が腕を下げて座り込む。

「様子を見てくる…」

翔が恐る恐る神姫に近付いて声をかける。

「大丈夫か?」

「なんでワタシに情けかけるのよ…」

「君も黒姫の一部になっている場合攻撃したらお互いにすり減る可能性あるからな」

神姫が少し考えて呆然とする。

「…あれ、ワタシ詰んでない?」

「かもな、出ていけばいいと思うんだが」

「ど、どうやって?」

すがるように翔を掴む。

「来たときと同じように…そういえば俺もどうやって帰るんだ!?」

困った二人が黒姫を見る。黒姫も寄ってきて何事かと聞いてくる。

「ワタシどうすればいいの…」

「私にも分からないです…」

(頼みの綱は無し…どうすんだこれ…)

作戦立てた時の質問不足を後悔する翔を他所に神姫が何かを思い付く。

「ワタシ共存の道を要求します」

「…なかなか図太いですね」

「黒姫、君の鏡の可能性あるんだからあんまり批判しない方が…」

二人から睨まれ翔はすごすごとその場を離れる。

「喧嘩するなよ」

翔が去ったあと二人で話し合いを始める。

(大丈夫だとは思うが…俺は出口探さないとだな)

翔は周囲の探索を始め扉の一つに手をかける。

扉の先は神鳴と出会った空間に似ている場所だったが何か違う感じがした。

(神姫の記憶なのか?やはり混ざって…)

罵倒や嘲笑が聞こえ影の一つが虐めを受けている様が目に映る。

(ここにいるのは悪いな…戻ろう)

出口を求めて扉を開ける。

小さな灯りに照らされた机に向かって何かをする影が見える。

(小さな箱庭程度の世界か…)

更に鏡のようなもの越しに翔達の戦いを眺める影、羨む声と応援する声、最後には妬む声が聞こえてくる。

「ワタシも…友達が欲しい…きっと…ああこの子なら…」

黒姫を見てゆっくりと鏡に歩み寄る影、ふっと灯りが消えて新しい扉が前に現れる。

「見ろって事か…?」

罠かもと思いながらも意を決して扉を開く。

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