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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
新たな神の物語
29/153

精神世界2

暗闇の中で一筋の光を辿るように翔は前に進む。

少しずつ視界は開けていき翔は自宅に立っていた。

(ここが精神世界…なのか?)

壁には所々ノイズが走っていたり黒く欠けていたりする。

(曖昧な記憶…ってことか、兎に角黒姫を探さないと)

試しに目の前の物置を開けてみる。中は暗闇が広がっていた。

吸い込まれそうになるがすぐに戸を閉めて黒姫が使っている客間に入ろうとする。

扉に触れた瞬間視界がボヤけて別の空間に移動する。

(これは…迷子になりそうだ)

意を決して扉を開くとアパートの一室と思われる空間で声が聞こえてくる。

しかし言葉に意味は無く幾つかの自分を示す語句が聞こえてくるだけだった。

「黒姫、そこにいるのか?」

言葉が止まり黒い影が形になりじっと見つめられる感覚がする。

(これはプロテクトってやつなのか?)

部屋を出るべきと判断して翔はすぐに引き返してアパートを出る。

外に出ると高校ではなく見た感じ小学校の教室に出る。中では一人席に座る黒い影と心無い言葉が飛び交う。

(う…これは…虐めか、でもこの小学校)

突如として影が回りに溢れて翔を追い詰めるように動く。

(マズイ逃げないと!)

翔が入ってきた扉を開けるとまた別の場所に移る。

(ここは確か黒鴉が試験場にした屋敷の…)

小学生低学年程の黒い影二つ、楽しそうに庭を走り回るのが見える。

(あれが黒鴉と黒姫なのか?本当の黒姫はどこにいるんだ?)

そう考えていると不自然に扉が目の前に現れる。怪しく思いながらも扉に手を掛けて前に進む。

魔法学校の教室に出る。心の声は楽しそうな声が聞こえてくる。

(懐かしいな、だがここには居なさそうだな)

辺りを見渡して何もないことを確認して次の扉を目指す。

次は先日入院していた場所とは違う暗い病院に出る。しかし歓迎されていないように重苦しい空気が漂う。

(なんだこの病院…)

母を呼ぶ黒姫の叫びが木霊し衝撃が翔を襲う。

(ここは来るべきじゃないな…)

心電図の音が妙に耳に残る病院をすぐに立ち去り次の扉を急いでくぐる。

何度も通った駅前の広場、ノイズの走ったのっぺらぼうの人間が壊れた映像のように何度も同じ動作を繰り返していた。

しかし声も音もしないその空間の中央に黒姫がぼうっと立っていた。

「えっと…本物の黒姫か?」

ゆっくりと振り返る黒姫の体はノイズが走りボヤけていた。

「私は…」

黒姫の背後にもう一つ影がちらついて見える。

「おいおい、もうなんかヤバイ感じなんだけど!黒姫!」

翔が黒姫に触れると影が黒姫から離れ黒姫が形を取り戻す。

「しっかりしろ、大丈夫か!?」

「翔君…?本当に来てくれたんですね」

影が逃げ出して行くのを見て翔はすぐに黒姫を立たせて追うように言う。

「ま、待ってください」

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