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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
新たな神の物語
23/153

リターンマッチ3

日が暮れそろそろ帰ろうとする二人の前に監視をしていた玉藻前と吸血鬼がとうとう姿を現す。

「甘い茶番劇見せられてイライラしとるんや覚悟してもらうで」

益々不機嫌な顔になっている玉藻前を見て翔が頭を掻いて言う。

「この前のキツネか、役所前のあれの犯人はお前だったか」

「玉藻前や!リターンマッチやで」

「…二度と姿現さない約束を破るのですね」

黒姫の殺気に一歩下がる玉藻前だったが吸血鬼が前に出て挨拶をする。

「我輩はダン・ピエール、お嬢さんの相手は我輩がするであーる」

「邪魔しないで」

翔と黒姫が武器を呼び出して構える。騒ぎに乗じて人が集まってくる。

「不味いな、見世物じゃないんだが…」

「さっさと倒しましょう…」

早速玉藻前が火を操り飛ばしてくる。翔は避ければ人に当たると判断して氷雨で氷の壁を作り観戦している衆人を守る。

「相変わらず芸達者やな、やっぱ殺陣の方がええか…」

玉藻前が刀を抜き突進してくる。翔も応戦するように炎と氷を使い分け牽制と受けを行い隙を作ろうとする。

「その手は食らわんで!ちゃんと殺す気でやらんとアカンで!」

生け捕りにされた苦い思いをしたことを反省して隙も少なく背後を取らせないように立ち回る玉藻前に翔は苦戦していた。


黒姫とダンは開幕からダンが幾つもの蝙蝠に変身して攻勢に出てくる。

「ナイフ一本とは嘗められたモノであるな」

「…っ!」

最初の数匹を切り落としたものの背後に回られ背中を引っ掻かれる。

咄嗟に前に回避して深傷を負いはしなかったものの体に違和感を感じ膝をつく。

「麻痺毒である、ふむ、美味」

指に付いた血を舐め嬉しそうに感想を述べる。

「気持ち悪いやつ…」

「吸血鬼が血を舐めて何が悪いである?…もしかして毒も舐めて痺れることを期待していたら残念であるな」

爪をピンと構え舌なめずりする。

「我輩も外道ではない故、一撃で仕留めてやろうであーる」

「一撃で…そうね、でも獲物の前で舌なめずりするのは三流よ…」

「んん!?」

気づけば胸を鎌が貫通しているダンは驚きの声をあげる。

「死神…!はは…油断大敵であるな…」

麻痺で呼吸が荒くなっている黒姫に賛辞の言葉をあげながらダンは魔石になりデスに回収される。

「大人しく…倒れてくれて、助かっ…た」

意識が朦朧とする中で翔の方をチラッと見て呟く。

「翔君…動けそうにない…ごめんなさい」


均衡した戦いの中でほぼ相討ちになった黒姫とダンを見て玉藻前が悪態をつく。

「あんのど阿呆、油断するな言うたやろ…!」

「お前もな!」

気が逸れた玉藻前に一気に踏み込み翔が一撃を入れる。刀で防ごうとするも翔の攻撃が早く右腕にざっくりと一撃受けて仰向けに倒れる。

「あぁ…もう…最悪や」

立ち上がる気力もなくなった玉藻前を見て翔は刀を納める。

「今度は誰の差し金だ?神鳴か?」

「誰やそれ…ウチは単に負けず嫌いなだけや」

「俺の前に来たのは偶々じゃないだろ?」

「殺して金にせぇや…」

何も喋ろうとしない玉藻前の首を仕方なく切り魔石にして回収する。

倒れた黒姫に駆け寄り声をかける。

「黒姫、しっかりしろ!」

「ごめん…なさい、ちょっと疲れました…」

背中の傷に気付き急ぎ救急車を呼び病院に連れていく。

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