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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
守るべきモノ
152/153

新しい明日へ2

会議室での話が終わり神達はそれぞれの世界に帰っていく。

それぞれ翔に言葉を投げつけながら…

「次こそは俺が勝つ、首洗って待ってろ」

神螺は二度の敗北に復讐心を燃えたぎらせる。

「僕も執念深いんだ、生き返っても反省なんかするもんか」

クソガキのままの神斎。

「え?我はもう戦わないよ、人間は嫌いだけどね、父には逆らわない方がいい、螺と斎は馬鹿だからね…」

竜司の隠された実力を知るのかビビりながら神威は帰っていく。

「何時でも頼ってね、私は二人の先生で二人は私の先生、でしょ?」

神楽は翔と黒姫に投げキッスをして帰っていく。

「アタシ辛い記憶しかないけど、彼との日々が有意義になって…ほんとはまだ…ううん、黒鴉様が呼んでるしもう行くね」

神華は以前の世界よりも仲良くなった博士を失った心の傷は一生残った事を遠回しに伝える。人と深く接した事で性格は丸くなりより眼鏡を大事にするようになっていた。

「帰るわよー、え?まだ話があるのー?もう、先に外に行ってるわ」

神鳴はあまり変わっていないようだったが二人への絡みや依存が強くなったようだった。

「わたしは…あの時残したもう一人のキミと神姫に謝りたいな、犠牲のようにしてしまったのだから」

一番この状況を望んでいたかもしれない竜司は気苦労をかけた二人に謝り二度と会えないだろう二人の分身を思っていた。

翔は黒姫に鍵はどうなったのか、家族はどうなったのか尋ねる。

「鍵は皆に返しました…だってもう二度と揃うことは無いですから」

黒姫は力を失いただのネックレスと指輪を見せる。

「あ、二つになってお揃いですね」

「…いや、そっちは有るのは分かるんだが…何故俺のがあるんだ?」

無意識に着けていた上位世界で貰ったネックレスを見て翔が驚く。

「私が残しました、はい父さん、指輪返しますね」

黒姫は父に指輪を返す。

「そうそう、母は生きてますし私は学校に通ってます、という訳で宿題頑張りましょうね」

「都合の良いとこだけ改編してるじゃねーか」

「勝者の特権です!これでハッピーエンドです」

黒姫が嬉々として語りスキップしながら部屋を出ていく。

「えー、いいのかなぁ…」

「浜松君、娘のわがままに最後まで付き合ってあげて欲しい、それはそうと就職先は決まっているかい?」

「え?あ…考えときます」

翔は逃げるように会議室を出て神鳴と黒姫に合流して帰宅する。


自宅に帰ると早速神鳴が物置の荷物をどかして改造する。

「せっかく直ったのに…いや無かったら無いで寂しかったんだが…」

「環境が変わったのは私達くらいで他は皆何時も通り…」

黒姫が神鳴の蛮行に苦笑いしていると開いた次元の穴から早速、玉藻前が飛び出してくる。

「最悪や!なんで神斎帰って来とるんや!」

「あー、神の身内がいたぞ」

神斎の義理の妹に当たる立ち位置だったのを思い出して翔が黒姫に言う。

「いましたね、復活させちゃいましたし仕方ないです」

「ウチの脳ミソバグる前にちゃんと復活はやめー言うたで?酷いやん!」

黒姫は平謝りしているとダンが今度はやってくる。

「我輩コーラが所望であーる」

神鳴に呼ばれた事で天狗になっているのか冷蔵庫を勝手に漁りだす。

「お前何もしてないだろ!帰れや!」

「酷いであーる、友としてもっと優しくするあるよ」

普段の浜松家になった事に安心感を覚えながらも何か忘れている気がすると我に返る。

「黒姫、俺達大事な事を忘れているぞ」

「夏休みの宿題ですね…?」

二人は急ぎ取り掛かる準備をしてそれからも異界の客人が来て騒がしくなるリビングで河内達に通話で泣き落としをしながら必死に宿題をこなしていく。

宿題を終えたのは日付を跨いで数時間後、夏休み最終日であった。

テーブルに突っ伏した黒姫とリビングを散らかして騒いだ神鳴や客人達を見て翔は自分が居るべき場所を自覚する。

もう倒すべき宿敵もいない、世界を守り、救ったと言う満足感に近い達成感を感じつつ眠りに落ちるのだった。

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