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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
守るべきモノ
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神の下僕は世界を救いたい9

神斎の暴走の反省としてアルバートが各神の担当の博士を呼び出し会議を開いて翔と黒姫も呼ばれる。

黒姫が知ってる顔らしく目立たないように教えてくれる。

神威担当の高圧的な女性のヨロズ博士、神螺担当の高齢でスキンヘッドの男性のマーク博士、神斎担当の眠そうな男性のツムギ博士。

アルバートは深刻な表情で現状の説明をする。

「神斎の暴走により先の神螺の件も含め神に対し上層部は危機感を感じ始めている、経費削減により不安定な神の廃棄も前提で話を進めようと思う」

カスパーが自分の事だと理解して口を開く。

「神の世界だけでなく神の力も理解し研究する必要があると思います」

「神の力か…」

神鳴の時間操作を目の当たりにしているアルバートは理解を示して翔に意見を求めようとする。

「K、君の意見を聞きたい」

翔が答える前にヨロズが理由を尋ねる。

「室長、なぜこんな消耗品を重用するのか…理由が知りたいですね」

「彼の功績は今の神プロジェクトの根幹を成している、現にアーキタイプの完成は彼のおかげでもあるのだよ」

訝しい目で見られ翔は苦笑いで返し神の力について答える。

「神の力でしたね、えっと神威が鉱物の変形操作、神螺が肉体変化と超回復、神華が精神操作、神斎が神通力…自分が知ってる範囲ではあとプロトタイプが時間操作ですね」

マークが不思議そうに翔に質問する。

「我々も知らない情報があるようだが一体どうやって知ったんだね?」

「え?知らなかったんですか?」

判明していない情報を未来の知識で語ってしまい誤魔化せなくなり焦る。

「神螺と神斎の暴走を止めたのは彼なんだ、極秘だがね」

アルバートが助け船を出してマークを無理矢理納得させる。

続けてアルバートは神の力の利用価値について検討する。

「操作系の力は有効利用できそうだね、神華も廃棄せずに済みそうだ、カスパー博士世界作成を遅らせても構わないがしっかり頼むぞ」

自分の立場が守られた事か神華が守れた事にかカスパーはホッとする。

黙っていたツムギが翔に質問する。

「んでー、アーキタイプと神楽の能力は?」

竜司の能力を知らず、神楽の能力を言葉に出来ず翔は黙ってしまう。

黒姫が担当という事で考えながら答える。

「神楽の能力は空間操作と魔力生成かと…」

「魔力ねぇ、自身の世界のよく分からないものを使えてもね…空間操作ってのは?」

ツムギが更に踏み込んだ質問をする。

「えっと神楽のもつ旅行鞄に色んな物を入れられるようです」

「はぁ…君のとこの神もそこまで凄い能力じゃないねー、世界も微妙じゃん、アルバートどう思う?」

ツムギの態度にイラッとした黒姫に気付いた翔は何か言おうとするがその前にデスの鎌がツムギの首にかけられ悲鳴を上げる。

「ひっ!なんだ!?」

「神楽の能力の一つで作られた精霊です、彼が神をボコボコにした力ですよ」

黒姫が翔を指差して答え翔は小声で黒姫を注意する。

「まぁそうだけど…黒姫、これは公表すべきじゃないと思うぞ」

アルバートが手を叩き喜ぶ。

「警備隊に配備出来れば今後の暴走も止められるじゃないか!上層部との交渉材料も出来たな!」

黒姫は自分のやったことを後悔して翔を見る。

アルバートは続けて新しい神の製造について語る。

「予算は削られるが新しい神の作成は続けようと思う」

反対意見は出ず皆黙るのを見てアルバートは満足そうに頷き会議はお開きになる。

アルバートは神楽に会議で出た提案を有無を言わせぬように説明して神楽の返答を待つ。

「そう…力は使う人次第、理解をしていますか?」

「当たり前だ!我々には今その力が必要なのだ」

神楽は了承して用意をすると言ってアルバートを下がらせる。

アルバートが出ていくのを見送り翔は神楽に謝る。

「無理をさせてしまってすまない…」

「大丈夫よ、彼らには本質までは理解出来ないわ、でもあなた達は不思議ね…最初から私の力を理解しているなんて」

翔はマイクに乗らない程小声で答える。

「未来の貴女に教わってますから」

「あら、いいの?言っちゃって?」

「正直そろそろ隠せない感じで…」

翔は苦笑いしながらもうすぐ役目が終わるのを感じ神楽にぶっちゃけてしまう。

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