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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
守るべきモノ
139/153

神の下僕は世界を救いたい3

神鳴の部屋に翔が入り挨拶を元気良くする。

「よ、神鳴、元気にしてたか?昨日ぶりだけど」

ニコニコしながら神鳴は拙い絵を見せてくる。

「元気元気!これあげる」

自分の知る神鳴と違い無邪気で純粋な様子に驚きながらも頭を撫でて誉める。

そして本題を切り出す。

「神鳴、君の力を借りたい」

「私の力?」

翔は人を石のようにする力の正体を知っている。自分の知るそれよりも遥かに強い力に畏怖をするがアルバートではなく正史の神プロジェクトを辿るためと頭を下げる。

「何をするの?」

「世界の時を進める…君にしかできないんだ」

部屋から出すのは危険だがアルバートに頼み込み一度だけの実験として外に出てアーキタイプの元へと向かう。

部屋の外に出れて神鳴は凄く嬉しそうにするがアルバートは問題が起きないかヒヤヒヤしながら歩いていた。

「たった一日でよくそこまで信用できるな…僕は恐ろしいよ」

「一日か…そうだった」

自分の行動が滅茶苦茶だと知りつつもやらねばならぬという事を理解して初めてアーキタイプと対面する。

「わたしも…失敗作なのか」

半ば見棄てられている整然とした部屋の中央の台座に光る球が浮いている。

「一か八かです、だが確信はあります」

神鳴の肩を叩いて机に乗せて光の球に手を翳させる。

「何をする気だ?」

突然やって来た翔達を無気力そうに見て不安そうに聞く。

「お偉方が欲しがる時間まで世界を進める…!」

必要とされる喜びに神鳴が大きく頷き力を込めて世界の時を飛ばす。

アルバートはその様子を研究用のモニターで確認して歓喜の声をあげる。

「凄いぞK!アーキタイプ!見たまえ!」

映像を大型モニターに映して古代の人間が活動する様が映し出される。

「人だ!トカゲなんかじゃない!やはりアーキタイプ!君の世界は正しかったんだよ!」

翔は映像には目も暮れず疲労でふらつく神鳴を抱き抱える。

「よく頑張った、これで良かったんだよな…」

喜ぶアルバートと後の竜を見守りながら翔は今後の不安を胸に抱きながら今日を終える。


翌日、研究の成果が評価されアルバートは上級研究員として昇格し翔に自慢気に証を見せびらかす。

「君のお陰だよ、次のプロジェクトの概要を一任されてしまった!部下も付いて万々歳さ」

「それは良かったです、しかし話がトントン拍子に進みますね」

「それはそうさ!このプロジェクトはこの世界の未来を担う!時間が惜しいのだ」

アルバートは時計を指差して高らかに笑う。

「ところで…次はどんな世界がいいかな?」

「え!?案無いのに引き受けたんですか!?」

翔が無責任なアルバートに驚くと申し訳なさそうにアルバートが語る。

「いやー君の案で救われたし一つくらい創らせてもいいかなって…」

翔はふと神楽を思い出す。

(この世界の人は魔法なんて受け入れないだろう…だからここで彼女を創らなければ正史には向かわない…)

翔は恥ずかしげもなく提案を出す。

「魔法のような力で救われたのなら魔法が存在する世界なんてどうですか?神鳴も功労者ですし彼女の家族…姉とかいると自分も助かるんですが…」

「魔法?…何だか子供騙しで馬鹿らしいと笑われそうだが…いやその力で救われたのだ承認しよう!」

アルバートは他にも数人から案を受けて神を幾つか作り出すプランを立てるのだった。

「K…君の案だけ中々通らなくて苦労したぞ?責任は取ってくれよな?」

相変わらず無責任なアルバートだったが信頼してくれているのかプランを翔に見せて多少のアドバイスを貰おうとしてくる。

「機械技術の進化、生物的の進化、どっちも捨てがたいなぁ」

チラチラと翔を見て仕方なさそうに翔は「両方やればいいじゃないですか」と適当に答えアルバートは満足な顔をして頷く。

(機械…神威か?生物的な進化は…どっちだろう神螺か?どっちも倒した敵を作るのか…俺は正しい道を進んでいるんだよな…?)

竜司から託された指輪を見ながら今後の展開に頭を悩ませる。

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