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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
世界再編
135/153

そして世界は2

竜司と対面したことでハッキリとした記憶が戻り翔は質問をいくつもしたいが我慢して一つだけ聞く。

「黒姫はどこに…?」

竜司は首を横に振る。

「分からない、それどころか他の世界がどうなっているかも…」

「…そんな!」

「正直言うとわたしが一番驚いている…」

竜司は自分の願った世界に近いことに驚いていた。

「奥さんは?」

「この屋敷に、離婚しなかった世界さ…それだけに黒姫が居ないことが…」

二人で暗い雰囲気になっていると件の奥さんが現れる。

翔を見て不思議そうに見た後に旦那が予定通り会食に行っていない事を心配する。

「あなた時間は大丈夫?その人は?」

「娘の知人だよ、時間は…そうだね、浜松君詳しい話は後日しよう」

翔は頷きもどかしい気持ちを抑えながら席を立つ。

帰り際に奥さんに声をかけられる。

「娘はあんな性格だから仲良くしてあげてね」

「はい、娘さんって双子…じゃないですよね、あはは」

翔は少しでも情報を集めようと探ると気まずそうに答える。

「双子だったわ…」

聞いちゃいけない話だったと確信してすぐに謝り今日は退散することとする。


帰り道、黒姫が死んでいる可能性が示唆され他の神達の安否も所在も不明、途方もない絶望感にふらつき倒れそうになる。

(俺はこんな世界…望んでないぞ!約束と違うじゃないか…)

翔は壁を叩き怒りをぶつける。

ため息を吐きつつ晩御飯時に帰宅する。

「ただいまー」

「おかえり、遅かったわね」

普段より遅い時間に帰宅した翔を心配する。

「ちょっとね…父さんは?」

「遅くなるから外でですって、さっさと食べちゃって」

本当に久しぶりの母の手料理に自然と涙が出てくる。

(ずっと待ち望んでいたはずの環境なのに…すごく辛い…)

「あんた本当に大丈夫?泣いてるわよ?」

「…色々疲れちゃってさ」

訳も分からず思ったことを言いお腹いっぱいになるまでご飯をかっ込む。

食後何もやる気が起きずベッドに横になり竜司と連絡先の交換をしていなかったことを思い返す。

その後存在し得ない未来の記憶を思い出しながら久方ぶりに嗚咽しながら泣き、そのまま疲れて眠りにつく。

翌日は昨日よりも酷い形相で目覚ましに起こされる。

(最悪だ…夢じゃない…本気で体調崩れそうだ…)

携帯を確認してから制服に着替えて重い足取りで洗面所に向かう。

鏡を見て自分の顔を見て恨み言を呟く。

「もし今の俺の事を笑っているなら何発かぶん殴ってやるからな…」

リビングで同じように食事を取ると玄関の呼び鈴が鳴る。

「あら?朝から誰かしら?」

(…以前だったら黒鴉が殴り込みしてくる所だな)

パンを齧りながら対応を母に任せて時計を確認する。

時間が無いなとがつがつと食べて学校へ行く支度を整えて玄関に向かうと母が困った顔をして翔を呼ぶ。

「お友達…?」

玄関の先には黒鴉が不機嫌な顔をして翔を待っていた。

「黒鴉…?」

「名乗った覚えないんだけど…気安く呼ばないで、お父様が呼んでいるわ」

翔は困惑しながら黒鴉に着いていく。

「学校が…」

「体調不良とか言い訳して休みなさい、行くわよ」

車に乗せられてそのまま翔は屋敷に移送される。

その様子を母は呆然と見つめて車が見えなくなってから我に返る。

「いってらっしゃい、あ、お休みの連絡しないと…」

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