決戦へ4
参加者を増やされどう仲間を増やすか翔は思案していたが竜司は世界の命運の主旨を騙して説明を行う。
「兎に角、実力が反映されるか知りたいのだ、今は四チームあるのだが新しく組むなり既存のに入るなりしてくれたまえ、途中乗り換えや裏切りも有りだぞ」
(まずい!勧誘文句が全く浮かんでこない!)
竜司が説明を終えてワイワイと語らう河内達を見て翔は焦る。
人数不利な神鳴もメンバーが欲しいはずとチラッと見ると余裕な様子に驚く。
(馬鹿な!なんで余裕なんだ!?)
翔の疑問に答えるようにアキトがニヤッと笑い言う。
「そりゃ本気のお前を倒したら箔が付くからな」
「な、なに!」
アキトは腰の木刀を見せる。
黒姫が咄嗟にアキトの思惑を潰しに動く。
「アキトさん余計な言葉で惑わして混乱させてはいけません!あくまでも皆さんの意見を尊重すべきです」
竜司も頷き同意するが悪意ある笑顔に見え、アキトも罠にかかったという顔をする。
「印象操作合戦では私達が不利なはず…」
黒姫が自信を無くして小声で大丈夫と何度も繰り返す。
しかし結果は翔と黒姫の孤立、竜司が苦笑いする。
「決まったものはしょうがないな」
想定通り久坂、荻原、遠藤は黒鴉の所へ、金森、葉山、ミハエル、ロゼットで一チーム、河内、猪尾、西園寺、ミナで一チーム、何故か八坂が神鳴のチームに入っていた。
「八坂!なんでそっちに!」
「え?お前倒したいから」
翔の叫びに八坂が答えて周りの参加者が頷く。
「えぇ…」
困惑する翔を指差しアキトが爆笑してくる。
「ははは!俺とお前は狙われる側なんだから自覚しろ!」
「ぐっ…でも何で!?」
竜司が腕を組みキメ顔をする。
「言っただろうゲームだと」
他にもそれぞれ言いたいことは山程あるようだったが竜司は手を叩き決戦の舞台に全員が送られる。
翔と黒姫は開けた草原に移され二人は頭を抱える。
「やられた、兎に角現状把握からか…落ち着かないと」
周囲を見渡し様々な地形が見える。
ヒラリと二人に見えるように地図が落ちてくる。
「まるでテーマパークみたいな圧縮具合だな…」
神威の世界を思い出すような色んな地形が点在する戦場に翔が頭を掻く。
「良かった、今いる草原は多分端の方です、どうします?下手に移動しない方がいいでしょうか?」
「少人数なら身を隠した方がいいかもな…物資とかもあるなら調達した方がいい」
翔は危険だがと付け加え中央付近の市街地のような場所を指差す。
「そ…そうですね、手早く移動しましょう」
こうして翔達に取って厳しい決戦が始まるのであった。